研究課題/領域番号 |
19K19355
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
久永 拓郎 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (90755787)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 問題志向型診療録 / 形成的評価 / 診療参加型臨床実習 / ピア・レビュー教育 / 学生診療録 / ピア・レビュー / 医学教育 / 診療録 |
研究開始時の研究の概要 |
診療参加型実習を行う医学科5,6年生を対象に、配属診療科で記載する学生診療録について、医学教育専任教員により実習期間を通じた継続的なピア・レビューを行い(1期6週間を基本とするが可能であれば長期的に追跡評価を行う)、診療録記載技能向上における有効性を評価する。評価はルーブリック方式で行い、学生への送付や質疑応答、アンケートは電子システムを用い、迅速且つ緻密な評価とフィードバックを行う。本評価手法とシステムを立ち上げ、その有効性と改善点を検討することにより、最終的に臨床医学教育の改善につながる教育手法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
臨床実習における診療録記載は重要な基本的診療技能である。この学修を支援し到達度の向上を明らかとするため研究者が考案した診療録のピア・レビュー教育の3年間の評価をまとめた。医学生が実症例やシナリオ課題に基づき作成した診療録に対し、項目別評価および概略評価を各5段階で行った。該当診療科での実習中に2回評価を行い、1回目に比べて2回目で全項目の評点が上昇した。実習時期別の比較でも多くの項目で評点が上昇した。現在の臨床実習では、学生が自ら臨床推論を行い、プロブレムリストの作成を含めたアセスメントと計画を記載する学修機会の不足が示唆されたが、本ピア・レビュー教育の教育手法としての有効性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
診療録の記載は、医学生が卒業までに経験し身につけておくべき重要な基本的臨床手技として位置づけられている。現状でもその指導体制はとられているが、個々の教員の裁量に依存しており、人員的な事情等によって十分な指導が行き渡らない場合もあり、臨床推論や計画の立案への主体的参加および診療録記載の実践としては不十分な学生が散見される状況にあった。本研究では、通常の指導医による実地指導に加えて、第三者的な医学教育専門家によるピア・レビュー教育を行うことで、診療録記載技能の向上を定量的に評価し、新たな教育手法としての有効性を示した。今後も同様の形成的評価の取り組みが広がることが期待される。
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