研究課題/領域番号 |
19K19382
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
林 令奈 (大関令奈) 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 客員研究員 (30822704)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 患者医師関係 / 医学的無益性 / コミュニケーション / 治療意思決定 / 乳癌 / 意思決定 / 進行乳がん / 化学療法 / 意思決定プロセス / 医師患者関係 / 進行性乳がん / がん化学療法 |
研究開始時の研究の概要 |
終末期医療に何がどこまでなされるべきかは、医療倫理における最重要テーマの一つであり、中でも進行がんに対する化学療法は重要な研究対象である。終末期の化学療法の継続・中止に関する話し合いには、余命などの難しい内容が含まれ、医師に負担があることを示す研究もある。医療者がこの問題にどう対処するべきか論じるためには、医療者のどのような要因が治療を継続させるのかについてのより本質的な実証研究が必要と考える。申請者は乳腺専門医を対象とした予備調査を行い、仮説を生成したが、本研究はその研究対象と研究手法を拡張して仮説を検証し、現場の医療者が準拠すべきガイドラインの策定につながる考察を行うことを目的とする。
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研究成果の概要 |
質的研究により、乳腺外科医には「患者は死を受け入れられない存在である」という信念と「患者は死を受け入れることができる存在である」という信念を持つものがおり、各々で積極的化学療法を中止する時期が異なる可能性が示唆された。同対象への量的調査でもこの結果は支持された。多様な治療法が存在する乳がん患者の価値観を含む意思決定は、多くの医師が困難を抱えており、倫理的サポートを行う必要があることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、医師の価値観や信念が乳がん患者の意思決定に強い影響を与える可能性を示唆する。個人の信念が診療に影響すること自体に問題はないが、そのことに無自覚であることは、無意識のうちに患者の決定を自らの思うように誘導してしまう可能性もあるだろう。患者の意向を尊重する医療のために、研究の結果をもとに、乳腺外科医が自らの信念を振り返る契機を与えることや倫理的サポートが、患者医師関係の改善に寄与するだろう。
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