研究課題/領域番号 |
19K19389
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
兵頭 勇己 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 助教 (50821964)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 臨床検査値 / 検査オーダ / 教師無し学習 / フェノタイピング / 電子カルテ / 基準範囲 / 欠損値 / フェノタイプ / 臨床判断値 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、電子カルテに蓄積された臨床検査値に対し、データの欠損を医師の推論に関する情報として捉えることで、新たな活用方法を見出すことを目的とする。具体的には、臨床検査の実施間隔に着目し、バイアスを除いた検査値を自動抽出する手法を構築、欠損値の対処や病態抽出への応用に展開するための基盤となる研究を行う。大まかな研究項目として、 1)臨床検査値の頻度分布推定における新たな手法の構築 2)実臨床データに対する本手法の適用ならびに有効性の評価 3)欠損値代入および病態抽出における数値シミュレーションによる有効性の評価、の3つを実施する。
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研究成果の概要 |
我々は、電子カルテから臨床的に妥当な値の検査値を抽出し、その分布と基準範囲を推定する新しい手法を開発した。本手法は、次の臨床検査オーダーまでの間隔を医師の臨床判断を含む情報として扱う。 次回の検査オーダーまでの検査間隔を重みとしてデータをリサンプリングし、臨床的に許容される検査値の集合を特定した。また、推定されたヘモグロビンの基準範囲の妥当性を検証するために、鉄剤処方と臨床検査値の関係との比較を行った。その結果、本手法は複数の臨床検査値の年齢別基準区間を推定できた。本手法は、医師の臨床的判断を含めた有用な分布と基準範囲を簡便かつ自動的に推定する方法である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
診療データは単純に解析すると、誤った結論を導くことが多い。その理由の一つは、診療データには欠損値が多く存在し、そのまま解析に利用すると偏り(バイアス)を伴った結果となる可能性が高くなるためである。さらに医療現場においては「健康な人ほど検査が不要」など、患者の状態に応じてデータの発生確率が変動するためデータが欠損するプロセスが複雑である。本研究では、欠損値への対処方法の1つとして、これらの臨床医の判断を含めて検査値が取りうる値の分布を推定するための手法を確立した。これらの手法や分布を活用することにより、根拠のある欠損値の代入が可能となり、より蓄積された医療データの利活用がなされると期待できる。
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