研究課題/領域番号 |
19K19404
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田鎖 順太 北海道大学, 工学研究院, 助教 (40791497)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 低周波音 / 音響心理 / 振動感 / 共振 / 内耳 / 前庭器官 / 知覚閾値 / 半規管 / 筋電位 / 眼振 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,高架道路や風車周辺等で睡眠障害,頭痛,めまい,等の様々な健康影響が報告されており,低周波成分が卓越する騒音の寄与が懸念されている.しかしながら,低周波音の生理学的な反応・受容機序に関する知見は見受けられない.本研究では,低周波音曝露に対する前庭器官・半規管の反応性の解明を目的とし,低周波音を用いた曝露実験による前庭器官・半規管の反応性の測定,内耳全体の物理・神経生理学的反応に基づく数理モデルの構築,および低周波音評価指標の開発を試みる.
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研究成果の概要 |
近年,低周波音を原因と疑う睡眠障害・頭痛・めまい・吐き気等の症例が多数報告されている.低周波音が前庭器官・半規管によって受容されたことによって「圧迫感」・「振動感」が生じている可能性があり,頭痛・めまい・吐き気等の症例はこれらの器官への外部刺激に起因する平衡機能障害であると推察される. 本研究では,低周波音による特異的な健康影響を評価するための基礎的な知見として,低周波音による「振動感」に関する音響心理実験を行った. 「振動感」の知覚に共振の存在が示唆されること,「振動感」の閾値を被験者が判別することは困難であり実験デザインの見直しが求められること,等の知見を得た.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
低周波音は,不眠・頭痛・めまい・吐き気など,様々な健康影響の原因であると推察されるが,そのメカニズムに関する知見はきわめて乏しく,健康リスクの評価もきわめて困難である.「振動感」は低周波音によって生じる特異的な知覚反応であり,これを明らかにすることは低周波音による健康影響を明らかにし,そのリスクを低減することに繋がる.本研究成果は,「振動感」の評価において従来の実験的手法では不十分であることを示唆している.
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