研究課題/領域番号 |
19K19406
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
平野 哲史 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 助教 (70804590)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ストレス応答系 / 化学物質 / AOP / リスク評価 / ストレス応答 / 農薬 / 雌雄差 / バイオマーカー / ネオニコチノイド / 神経毒性 / 環境化学物質 / リスク評価法 |
研究開始時の研究の概要 |
近年急増しているうつ病や不安障害等のストレス関連精神疾患の原因として,遺伝要因のみならず化学物質等の環境要因が指摘され,発症に関わるメカニズムとして「ストレス応答系のかく乱」が注目されている.しかし,げっ歯類の脳組織変性や肉眼観察を主とする現行の神経毒性試験では,環境化学物質が「ストレス応答系」に及ぼす影響を検出することは不可能である. 本研究では,近代特有の環境要因である環境化学物質が引き起こす「ストレス応答系のかく乱」に関するメカニズムを解明し、新規バイオマーカーおよびリスク評価法を開発することを目的とする.
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研究成果の概要 |
本研究では、化学物質が引き起こす「ストレス応答系のかく乱」に着目し、動物モデルを用いたメカニズム解析により、ネオニコチノイド系農薬曝露時における行動学的異常や神経活動性の変化をkey eventとする新たな有害影響パスウェイ(AOP)の一端を解明することができた。さらに、オミクス解析によりバイオマーカー候補となる神経伝達シグナルやカルシウムシグナリングに関する遺伝子群を明らかにした。加えて、細胞モデルを用いて、タンパク質分解系の活性変化等を指標とすることで、化学物質による神経毒性に関する相乗作用を効率的に検出可能な新規リスク評価系を確立することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の中枢神経系における化学物質の毒性評価はげっ歯類の脳組織変性や運動失調等を指標としているため、高次脳機能に及ぼす影響に対する検出感度、スループット、再現性の低さが問題点として指摘されている。そのため、「化学物質の曝露が高次脳機能に対して影響を及ぼすのか否か」を検出可能な新規リスク評価法の開発が切望されている。本研究により明らかになったAOPやリスク評価系は、今後、中枢神経系に対する化学物質のリスク評価の高度化を通じて、動物実験の削減や環境負荷の低減に貢献することで持続可能な開発目標(SDGs2, 12, 15等)の達成に寄与することが期待できる。
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