研究課題/領域番号 |
19K19409
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
東阪 和馬 大阪大学, 高等共創研究院, 准教授 (20646757)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 外因性微粒子 / 精神疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の疫学研究により、PM2.5といった環境中微粒子が呼吸器系のみならず、脳・神経系にまで影響をおよぼす可能性が指摘されている。しかし、その分子機構を科学的に追究した事例は少なく、外因性微粒子の動態に基づく神経細胞応答の理解という観点が欠如していた。そこで本研究では、環境中微粒子とうつ病の発症・悪化に関する疫学研究に着目し、外因性微粒子への曝露に起因するうつ病の発症機序の解明を試みる。
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研究成果の概要 |
本研究では、ナノ粒子(人工微粒子)による神経細胞に対する生体応答、および、制御機構の解明を試みることで、外因性微粒子がうつ病をはじめとする精神疾患の発症・悪化におよぼす影響の一端を解明することを目的とした。その結果、モデル粒子として用いたナノ銀粒子が神経細胞の分化を抑制し得ることを見出し、それら発現メカニズムとして酸化ストレス応答が関与し得ることを明らかとした。今後、細胞内における活性酸素種を産生する部位であるミトコンドリアに着目し、神経機能の維持に重要なミトコンドリアの融合機能への影響について追究していくことで、ナノ銀粒子による神経分化抑制機序の解明を試みる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
精神疾患の発症・悪化には、各個人の複合的な原因のみならず、食事や喫煙に代表される生活習慣や化学物質曝露といった、自身と周囲の環境から生じる様々な環境要因が関与していることは言うまでもない。さらに、近年の疫学研究により、PM2.5といった環境中微粒子が脳・神経系にまで影響をおよぼす可能性が指摘されている。従って、本研究成果は、外因性微粒子への曝露という観点から、精神疾患の発症・悪化におよぼす影響の一端を明らかとした点で、外因性微粒子への曝露に起因した生体応答の理解に貢献すると共に、グローバルな健康環境の向上に寄与することが期待され、公衆衛生学的視点からも意義深いものであると言える。
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