研究課題/領域番号 |
19K19411
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
阿部 遥 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (90554353)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | アフリカ / ガボン / 野生動物 / ブッシュミート / ウイルス / メタゲノム解析 / 次世代シークエンサー / 病原体 |
研究開始時の研究の概要 |
ガボン共和国は中部アフリカ沿岸に位置する赤道直下の国で、ブッシュミート(野生動物の食肉)の消費量が多い国の一つである。ガボン共和国では過去にエボラ出血熱の発生を始め野生動物由来の感染症が問題となっており、ブッシュミートを介して感染症が一般市民へ拡大してしまうリスクが常に存在している。 本研究では、現地研究機関の協力の下で、野生動物の保有病原体について次世代シークエンサーを用いて網羅的に解析し、中部アフリカの野生動物が保有する病原体の感染リスクを明らかにすることを目的としている。
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研究成果の概要 |
本研究では、中部アフリカのガボン共和国においてブッシュミートとして入手可能な野生動物(ヤマアラシ、ブルーダイカー等)や小型野生動物(げっ歯類、食虫類等)を合計395検体採取し、次世代シークエンサーを用いた網羅的なメタゲノム解析を行った結果、肝炎ウイルス・ロタウイルス・アストロウイルス等のヒト感染を起こし得るウイルスを多数検出した。また、検出したウイルスゲノム配列を用いて系統樹解析を行ったところ、ガボン共和国特有の系統に属するウイルスを多く見出した。以上から、野生動物を介した人獣共通ウイルス感染症の感染リスクを明らかにしたとともに、ウイルスが中部アフリカで独自に進化していることも明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中部アフリカに位置するガボン共和国は国土の80%以上が熱帯雨林であり、野生動物が現地民の住環境の比較的近辺にまで存在している。また、ガボンではブッシュミート(野生動物の食肉)の消費量がアフリカの中でも多く、野生動物からの病原体感染リスクが高いにもかかわらず野生動物を対象とする研究は進んでいない。本研究では野生動物に存在しヒト感染を起こし得る病原ウイルスを多数明らかにすることで、現地での野生動物を介したウイルス感染に対する注意喚起するとともに、現地の医療機関における適切な診断や治療にも貢献することが期待できる。
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