研究課題/領域番号 |
19K19425
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
小柳 友理子 愛知県がんセンター(研究所), がん情報・対策研究分野, 主任研究員 (60825727)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 飲酒 / ALDH2 / がん / 媒介分析 / ALDH2遺伝子多型 / 飲酒関連がん / 消化管がん |
研究開始時の研究の概要 |
アルコールの代謝産物である発がん物質アセトアルデヒドは主にAldehyde dehydrogenase 2 (ALDH2)により代謝される。ALDH2遺伝子多型(Glu504Lys)の変異型アレルであるLysアレルは、その代謝活性をほぼ消失させ、飲酒後のアセトアルデヒド暴露量増加によって発がんリスクを上昇させる効果(直接効果)を示す。一方で、飲酒行動を抑制し発がんリスクを低下させる効果(間接効果)という相反する効果も示す。本研究では、これら2つの効果を区別して評価できる媒介分析により、Lysアレルの直接効果を定量化することで、各飲酒関連がんへのアセトアルデヒドの関与を臓器横断的に評価する。
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研究成果の概要 |
2型アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)遺伝子のrs671多型(G>A)のAアレル は、飲酒行動の抑制を介し、発がんリスク低下に関与する。一方で、Aアレルは、発がん物質の蓄積にも寄与し、直接的な発がん効果ももつ。我々は飲酒行動を中間因子とする媒介分析を消化管がんの症例対照研究に適用し、Aアレルが、臓器特異的なアセトアルデヒド曝露量増加による発がん促進効果と、臓器横断的な飲酒行動の抑制を介した保護的効果をもつことを明らかにした。同様の検討を膵臓がん症例対照研究で行い、既知または未知のALDH2基質の代謝障害を通じて、Aアレルが膵臓がん発がんに寄与する可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究のように、曝露(rs671多型のAアレル)とアウトカム(発がん)との間に中間因子(飲酒行動)が介在するモデルが想定される場合、媒介分析は曝露とアウトカムの間のメカニズムを明らかにするための一助となる優れた解析手法であり、疫学研究において従来よりも更に踏み込んだ議論ができるようになると期待される。
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