研究課題/領域番号 |
19K19428
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 福岡県保健環境研究所 |
研究代表者 |
重村 洋明 福岡県保健環境研究所, その他部局等, 研究員 (50761540)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | サルモネラ / 安定同位体比 / 薬剤耐性 / 鶏肉 / 保有率 / ESC |
研究開始時の研究の概要 |
人の重要な治療薬である広域スペクトル・セファロスポリン(ESC)に耐性を示すサルモネラが福岡県内流通の市販鶏肉で急増し、その増加原因が養鶏産業でのセフチオフル使用にあることを明らかにした。しかし、当該薬使用中止後、ESC耐性サルモネラは一時的に減少したが現在も残存している。これまでのところ、ESC耐性サルモネラが残存する理由、それらに汚染された鶏肉の生産地域、ヒトへの感染状況は不明である。本研究は、①ESC耐性サルモネラが鶏肉に残存する理由、②ESC耐性サルモネラ汚染鶏肉の生産地域推定法の検討、③ESC耐性サルモネラの鶏肉を介したヒトへの感染状況を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
養鶏業界でのセフチオフル使用自粛後もセファロスポリン(ESC)耐性サルモネラによる鶏肉汚染が続いた。その要因がサルモネラのプラスミド上の遺伝子にあると考えたが、要因を明確するに至らず、他要因の検討も必要と考えられた。また、安定同位体比分析を利用しESC耐性サルモネラ汚染鶏肉の生産地域推定が可能かを検討したところ、プロット位置に特徴を認めた地域については、生産地域推定に同分析を利用できる可能性が考えられた。さらに、ヒトでの感染状況調査を行い、ESC耐性サルモネラの感染が一部のヒトで確認された。ESC耐性株には、鶏肉で分離される血清型も含まれ、鶏肉からヒトへの伝播の可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
市販鶏肉を汚染したESC耐性サルモネラのblaTEM保持プラスミドにセフチオフル使用自粛前後で大きな違いがないことを本研究で明らかにした。さらに、無症状のヒトのサルモネラ保菌状況およびサルモネラのESC耐性状況を明らかにすることができた。これらはESC耐性サルモネラの拡散制御のための基礎的な知見となり、今後の研究への発展および公衆衛生上の対策等に寄与することが期待される。
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