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感染などの明確な要因が誘発する癌の罹患率予測を実現する人口学モデルの構築と実装

研究課題

研究課題/領域番号 19K19429
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
研究機関滋賀大学

研究代表者

山口 崇幸  滋賀大学, データサイエンス学系, 助教 (90748964)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
キーワード肺がん / コンパートメントモデル / 最尤推定 / 新型コロナウイルス感染症 / 結核 / 口蹄疫 / 梅毒 / 数理モデル / 癌 / 人口動態
研究開始時の研究の概要

肺癌と子宮頸癌を対象にして, 喫煙率の低下や HPV ワクチンの摂取率の増加といった危険因子への暴露の減少と人口動態を考慮した癌の数理モデルを構築し, 発癌メカニズムを理解する. 肺癌では, 喫煙率は減少しているが, 高齢化によって肺癌の罹患数が増えており, このようなメカニズムを定量化する. モデルを基に癌の罹患率を定量的に予測するシステムを確立し, 禁煙や HPV ワクチン接種といった対策の癌抑制効果を明らかにする.

研究実績の概要

人口、死亡数、肺がんの罹患数と死亡数、喫煙率の男女別のデータを2018年までのデータに更新し、喫煙率を考慮した微分方程式による肺がんのコンパートメントモデルのパラメータを推定し、第40回日本呼吸器外科学会学術集会で報告した。この推定から将来の肺がん罹患数と死亡数を予測した。肺がん罹患数の予測は、肺がん手術施設の集約の検討などに利用することができる。派生した研究として、モデルのコンパートメント間の遷移レートとしてスプライン関数を用いて罰則付き最尤法でパラメータを推定する方法を検討した。罰則の重みを表すパラメータはクロスバリデーションで決め、推定したパラメータやモデルの値の信頼区間についてはブートストラップ法により求める。スプライン関数を使用しているため、さまざまなデータに適合することができる。また、ブートストラップ法による信頼区間の計算は、何度もパラメータ推定する必要があるため、計算時間ががかかってしまうが、マルチコアCPUを活用した並列計算によって現実的な時間で計算を終えることができた。このような手法をいくつかの感染症に対して実装した。差分方程式を用いた新型コロナウイルス感染症のSEIRモデルに対して適用し、実行再生産数を推定した結果については、21世紀の複雑系研究集会において報告した。また、差分方程式によるBCGワクチンを考慮した結核についてのモデルも検討し、パラメータを推定し、BCGワクチンの接種時期の検討を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

遷移レートをスプライン関数を使って表したコンパートメントモデルの推定のアルゴリズムは、さまざまなモデルに適用しやすい形で実装済みである。肺がんだけでなく、結核や梅毒についてのモデルに対して適用を試みており、重要なパラメータを推定し、推定結果を検討している。

今後の研究の推進方策

遷移レートをスプライン関数を使って表したコンパートメントモデルの推定のアルゴリズムを用いた派生した研究として、結核と梅毒のモデルのパラメータを推定する。結核については、BCGワクチンの最適な接種時期について明らかにする。梅毒については感染者数の推定を行う。

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて 2023 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 8件)

  • [雑誌論文] 喫煙状態と人口動態を考慮した肺がんの数理モデル2021

    • 著者名/発表者名
      山口, 崇幸
    • 雑誌名

      数理解析研究所講究録

      巻: 2184 ページ: 23-31

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Estimation of the percentages of undiagnosed patients of the novel coronavirus (SARS-CoV-2) infection in Hokkaido, Japan by using birth-death process with recursive full tracing2020

    • 著者名/発表者名
      Takuma Tanaka, Takayuki Yamaguchi, and Yohei Sakamoto
    • 雑誌名

      PLOS ONE, Public Library of Science

      巻: 15 号: 10 ページ: e0241170-e0241170

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0241170

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Estimating the syphilis incidence and diagnosis rate in Japan: a mathematical modelling study2020

    • 著者名/発表者名
      Yuri Echigoya, Takayuki Yamaguchi, Akifumi Imamura, and Hiroshi Nishiura
    • 雑誌名

      Sexually Transmitted Infections

      巻: 96 号: 7 ページ: 516-520

    • DOI

      10.1136/sextrans-2019-054421

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Threshold phenomena with respect to the initiation of depopulation in a simple model of foot-and-mouth disease2019

    • 著者名/発表者名
      Kenji Itao, Fumiya Omata, Yoshitaka Nishikawa, Tetsuro Oda, Toshiharu Sasaki, Cherri Zhang, John Solomon Maninang, and Takayuki Yamaguchi
    • 雑誌名

      Mathematical Biosciences and Engineering

      巻: 16 号: 5 ページ: 5931-5946

    • DOI

      10.3934/mbe.2019297

    • NAID

      120006843485

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] コンパートメントモデルのパラメータの推定と信頼区間の計算について2023

    • 著者名/発表者名
      山口崇幸
    • 学会等名
      21世紀の複雑系研究集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 人口動態と喫煙率を考慮した数理モデルによる肺がんの罹患数と死亡数の予測2023

    • 著者名/発表者名
      山口崇幸
    • 学会等名
      第40回日本呼吸器外科学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 感染時間を考慮した新型コロナウイルス感染症のモデルとパラメータ推定2020

    • 著者名/発表者名
      山口崇幸
    • 学会等名
      日本計算機統計学会第34回シンポジウム
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 常微分方程式の時間に依存したパラメータの推定による新型コロナウイルス感染症の実効再生産数2020

    • 著者名/発表者名
      山口崇幸
    • 学会等名
      2020年度科研費シンポジウム「多様な分野のデータに対する統計科学・機械学習的アプローチ」
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 新型コロナウイルス関連のデータサイエンス研究の紹介2020

    • 著者名/発表者名
      山口崇幸
    • 学会等名
      滋賀大学データサイエンス連携コンソーシアム第1回交流会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] マッケンドリック方程式をもとにした肺がんのコンパートメントモデルとそれによる予測2020

    • 著者名/発表者名
      山口崇幸
    • 学会等名
      第1回滋賀大DS・阪大医学統計オンライン合同セミナー
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 階段関数と区分的線形関数を用いた場合の梅毒のコンパートメントモデルと罹患数・報告 数の推定2020

    • 著者名/発表者名
      山口崇幸
    • 学会等名
      広島国際学院大学離散数学セミナー
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] コンパートメントモデルで自然史を考慮した梅毒の罹患数と報告数の推定2019

    • 著者名/発表者名
      山口崇幸
    • 学会等名
      中部大学 工学基礎教室 第2回セミナー
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 喫煙状態と人口動態を考慮した数理モデルによる日本の肺がん罹患数と死亡数の予測2019

    • 著者名/発表者名
      山口崇幸
    • 学会等名
      RIMS 共同研究「てんかんの数学的研究」
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] マッケンドリック方程式を利用した数理モデルによる日本の肺がん罹患数と死亡数の予測2019

    • 著者名/発表者名
      山口崇幸
    • 学会等名
      滋賀大学 データサイエンスセミナー
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

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