研究課題/領域番号 |
19K19445
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
武内 治郎 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60791324)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ワクチン接種 / ムンプスウイルス / アウトブレイク / 青年期 / 予防 / 追加接種 / ムンプス / ワクチン / 自治体助成 / 調査票 / 同意書 / 母子手帳 / 回収 / ウイルス抗体 / 母体状況 / ウイルス感染症 / 大学生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では医療系大学生を対象とした多施設横断研究により、地方自治体の助成によるムンプスワクチン接種と大学生におけるウイルス抗体価上昇との関連を検討し、青年期における流行性耳下腺炎の流行を防ぐ方略を探索する。ムンプスのウイルス抗体価のデータを各大学から入手し、学生の母子健康手帳に記載のワクチン接種状況および自己記入式調査票を回収する。地方自治体によるワクチン接種の助成の情報を統合し、成育歴、既感染歴やワクチン接種歴、保護者の職業、兄弟の数を共変量とした重回帰分析モデルを用いて各要因の係数を求め、地方自治体によるワクチン接種の助成が流行性耳下腺炎の流行防止にどの程度寄与したかを評価する。
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研究実績の概要 |
本研究は、ムンプスワクチンの追加接種と大学生におけるウイルス抗体価陽性との関連を明らかにすることで、青年期における流行性耳下腺炎の流行を防止することを目的にしている。 前年度まででデータベースの矛盾点は全て洗い出され完備されたため、2022年度は、データ解析を進めた。感染症において、臨床的な側面では追加接種を重ねるほどより抗体価を獲得するかどうかのエビデンスを創出する点が、アウトブレイクを防止する上で最も重要である。そこで、今後ムンプスワクチン接種の定期接種化において検討される際に俎上に上がる資料になることで社会へ還元するため、より多い回数でムンプスワクチンの接種を受けることと抗体価陽性との傾向を検討する旨をメイン論文の研究テーマとした。論文作成のために、研究協力者である森本教授(兵庫医科大学)からのスーパーバイズを受ける助力を受け、解析と執筆を終えた。英文校正を受けた後に研究代表者が論文の筆頭著者を務め、査読のある国際学術誌へ現在投稿している状況である。 メイン論文で検討が出来なかった研究テーマである、行政からの助成によるワクチン接種についての効果検証を行うために、サブ論文の2報目として、操作変数という解析上の方法を用いることでMRワクチン追加接種キャンペーンによる抗体価上昇の検討を行った。解析と執筆を終え、研究代表者が筆頭著者として査読のある国際学術誌に掲載された。 また、直接ワクチン接種を行う医師について接種に関連するかを検討するために、新たなサブ論文の3報目として、プライマリ・ケア医を対象としたヒトパピローマウイルスワクチン接種への実施および推奨について関連する要因について、研究を開始した。研究代表者は十分な文献収集を経て解析、執筆を分担し、英文校正を経た。研究代表者が論文の第二著者を務め、査読のある国際学術誌へ現在投稿している状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
メイン論文については解析及び執筆を終えたものの採択に至っていないことから、延長を経た状況としてはやや遅れていると言える。 しかし、サブ論文は2報目が既に英語論文として国際学術誌に掲載され現在3報目が投稿中で あり、臨床、行政、接種する医師と様々な面からワクチン接種について検討している。 今後の研究成果を通じて、ワクチン接種について、追加接種を行う臨床的な効果、行政からの助成による効果、接種する立場の者への啓発、と多方面からの包括的なアプローチによって、ウイルス感染症を防止する有用性について、引き続き社会に提供する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、投稿および査読に対応し、国際学術誌への論文掲載まで進める予定である。研究協力者である森本教授へ定期的に報告している状況で、さらに論文の改訂を含む査読対応についてスーパーバイズを受けることで、論文の採択まで迅速化を進めることが可能である。その結果、2023年度でメイン論文とサブ論文の3報目を研究成果として社会へ放つことが十分可能である。 本研究では、ムンプスワクチンの追加接種と大学生におけるウイルス抗体価上昇との関連を検討することにより、青年期までのムンプスワクチン接種における追加接種の効果が明らかになる。その結果、今後定期接種が望まれているムンプスワクチン接種への健康政策上での費用策定に大いに貢献できる資料となり得る。
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