研究課題
若手研究
アジア共通の高齢化課題のうち、高齢者のメンタルヘルスに着目し、地域特性の異なるアジア3か国(日本、ミャンマー、マレーシア)で、特にソーシャル・キャピタルがうつに及ぼす影響の相違を検証する。これによって、高齢社会に突入する前に、アジアの高齢者のうつ予防・治療の重点対策、介入施策を立案する根拠資料を提示し、Healthy and Active Agingの推進に貢献する。
令和元年度からの5年間で、本研究において高齢者のメンタルヘルス(うつや幸福感)とソーシャル・キャピタルの関連を中心として検証した論文を11件(国際ジャーナル9件、国内ジャーナル2件)、学会発表を13件(国際学会2件、国内学会11件)実施することができた。コロナ禍の影響や、対象国の国内情勢により、一部フィールド調査、データ入手が困難となった部分があったが、それらは、文献レビューをベースにした対象国の比較によって補い、考察を展開した。地域特性を考慮した上で、高齢者のメンタルヘルスがソーシャル・キャピタルに関わる指標(インターネット使用なども含む)に関連していることを明らかにした。これは対象国いずれにおいても類似の結果であった。また、性別、住居地(都市部か農村部か)、宗教施設への通い頻度、主観的経済状況などは、高齢者のうつに対して介入を行う上で考慮すべき特性であることも明らかにした。特に、主観的経済状況は、客観的な経済状況より高齢者のメンタルヘルス(うつや幸福感)に対して関連が大きいことを示唆する結果が出ており、コミュニティ内での経済格差を減らすことも高齢者のうつを抑制する上で、考慮すべきことを示唆した。R5年度は、高齢者のうつとインターネット使用の関連についてソーシャル・キャピタルを考慮して検証した結果が国際誌に1本掲載された。また、うつと食物摂取の影響や、メンタルヘルスを含むアクティブエイジングに関わる国内外の活動について、ソーシャル・キャピタルに着目した結果を国際シンポジウムで発表した。
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すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 9件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 2件) 備考 (2件)
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