研究課題/領域番号 |
19K19478
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大内 司 東北大学, 医学系研究科, 技術一般職員 (90712266)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 混合試料 / ミトコンドリアDNA / ハプログループ / デジタルPCR |
研究開始時の研究の概要 |
法医実務にDNA型鑑定が導入されて以降、その件数は急増しており、中でも複数人のDNAが混在した、いわゆる混合試料に対する対応が喫緊の課題となっている。これは鑑定の多くが二倍体である核DNAを標的としたものであり、混合試料の場合、結果の解釈が極めて困難となることに起因する。一方、ミトコンドリアDNA(mtDNA)は一倍体であるため、混合試料であってもその混合比率を推定することは核DNAに比べて容易であることが予想される。 そこで本研究では、mtDNAのハプログループ分類に着目し、デジタルPCRによってmtDNAの混合比率が分析可能か検討を行う。
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研究成果の概要 |
2人以上のDNAが混在する混合試料に対する解析手法として、デジタルPCRによるミトコンドリアDNA(mtDNA)のハプログループ分類と混合比解析法の構築を試みた。本システムはハプログループを規定する17箇所の一塩基多型並びに1箇所の欠損箇所を標的とするもので、異なるハプログループに分類された2試料から実験的に作製した混合試料に対して、作製した混合比と同等の値が算出されることが確認された。但し、混合比がどちらかに大きく偏った際に微量成分と非特異的シグナルとの判別が困難であることから、今後は検出限界について検討する必要があると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
混合試料に対する有効な解析手法の確立は、法医実務において解決すべき課題の一つとなっている。実務上、二倍体の核DNAを対象に検査されるが、混合試料の場合、混合比の算出は極めて困難である。本研究で構築したシステムは一倍体のmtDNAをハプログループに応じて検出するため、混合試料中のmtDNAの混合比をダイレクトに算出可能であるという利点を有する。 同システムは混合試料に関与する人数を特定することはできないが、ハプログループが異なれば3つ以上のmtDNAを識別できる可能性もある。検出限界の検討に加え、混合の組み合わせについて検討を重ねる必要があるが、同システムは混合試料解析の新手法となり得る。
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