研究課題/領域番号 |
19K19483
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 東京大学 (2020-2022) 東京医科歯科大学 (2019) |
研究代表者 |
則竹 香菜子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任研究員 (40758067)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | Δ9-THC / ERストレス / マクロピノサイトーシス / AMPK / 心筋細胞 / エタノール / 小胞体ストレス / Δ9-テトラヒドロカンナビノール / 毒性機序 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、世界で最も乱用されている違法薬物である大麻の主要活性成分Δ9-テトラヒドロカンナビノール(THC)には、認知機能障害や心筋梗塞などの心血管疾患の発症リスクがあることが報告されているが、それらのメカニズムは明らかとなっていない。本研究では、大麻草由来のTHCを用いて、THC毒性の分子機構を明らかにすることを目的とする。合わせて、申請者がこれまで研究対象としてきたアルコールは、大麻と併用して摂取されることが多いことから、THCの毒性との相互作用についても検討を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、大麻の主要活性成分であるΔ9-THCの直接的な心毒性発現の分子機構を解明することを目的とした。また、アルコール(エタノール)のΔ9-THC細胞毒性に対する影響について検討した。Δ9-THCを投与したHL-1マウス心房筋由来細胞では、ERストレスを介したアポトーシス細胞死が誘導されたが、エタノールによる相乗効果は確認されなかった。一方、Δ9-THCは細胞内エネルギーセンサーであるAMPKを活性化し、マクロピノサイトーシスを誘導した。AMPK活性化はマクロピノサイトーシスの誘導だけでなく、Δ9-THCの細胞毒性に対し細胞保護的な役割を果たしていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、世界的に大麻乱用者は増加しているが、大麻使用による身体への影響について科学的証明は十分されていないのが現状である。本研究では、Δ9-THCの心毒性の発現機構を分子レベルで明らかにしたことで、大麻使用にリスクが伴う可能性があることを認識する一助となると考える。
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