研究課題/領域番号 |
19K19489
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
落合 恵理子 東海大学, 医学部, 助教 (60760270)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | Y染色体ハプログループ / Y-SNP / Y-STR / 個人識別 / DNA多型 |
研究開始時の研究の概要 |
Y染色体上の一塩基多型(SNP)の組み合わせで決定されるY染色体ハプログループは男性の民族(人種)推定に用いられている。一方、SNPは小さな増幅産物サイズでの分析が可能であり、Yハプログループ解析を劣化試料や微量試料に対する個人識別へ応用することが期待される。しかし、日本人に高頻度でみられるハプログループC、D、O系統は、下流のサブグループまで頻度調査がされておらず、個人識別で利用するためには更なる分類が必要となる。そこで本研究では、次世代シーケンサーを用いて多数のY-SNPsの同時分析を行い、Yハプログループを下流のサブグループまで一度に決定して可能な限りの細分類を試み、日本人頻度を調べる。
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研究成果の概要 |
Y染色体ハプログループを個人識別などの法医学的応用を目的として利用するためには高い識別力が必要であり、系統の更なる細分化が求められる。日本人集団におけるYハプログループについて頻度調査を行うとともに、下流のサブグループを含めた細分類を試みた。日本人男性567名の分類の結果、C、D1、N、O*、O1b、O2、Q系統に大きく分かれた。さらにO1b系統はO1b*、O1b2a*、O1b2a1a1*、O1b2a1a1a、O1b2a1a1b、O1b2a1a1cの6種に細分類された。新たに選定したY-SNPs32座位について次世代シーケンサーを用い配列解析したところ、D系統の検体で大幅に識別能力が向上した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
法医実務でのDNA鑑定では微量試料や陳旧化のため断片化したDNAを扱うことがあり、通常の検査で用いるSTR(反復配列の多型)の鑑定結果が十分に得られない場合がある。増幅産物サイズの小さいSNP解析であれば検出できる可能性があるため、Y-SNPの識別能力が向上することで個人識別への利用が期待される。理論上では数十座位のY-SNPの分析で下流サブグループまで判定することができるため、例えば性犯罪事例における微量試料の鑑定を行うときに被疑者の絞り込みや冤罪の防止にも繋がると考えられる。民族推定の目的でもYハプログループの詳細な分類は有用であり、試料の所属集団を調べる際にも役に立つ。
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