研究課題/領域番号 |
19K19492
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 科学警察研究所 |
研究代表者 |
深川 貴志 科学警察研究所, 法科学第一部, 研究員 (90801572)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | スタター / フラグメント解析 / 合成DNA / DNA型鑑定 / STR型検査 / STR / DNA多型 / マイクロサテライト |
研究開始時の研究の概要 |
DNAの特定領域(アレル)における配列の繰返し回数を検査するSTR型検査では、本来の繰返し回数よりも1回少ない副産物であるスタターが微量ながら生じる。アレルかスタターかの判断はスタター比率と呼ばれる数値と検査人の経験により行われるが、スタター比率は定量性に乏しく、経験は主観的であるため、検査人によって判断が分かれることがある。 そこで本研究では、スタター比率よりも定量的な「スタター発生率」を測定し、そこからスタター比率を予測するモデルを確立することで、未だ詳細が不明であるスタター発生のメカニズムを解明し、スタター判断に定量的・客観的根拠の付与を可能にすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、「(1)人工合成DNAのスタター比率及びスタター発生率を測定する系の確立」、「(2)繰返し配列の塩基の並び順によるスタター比率の相違」、「(3)スタター発生率は、PCRサイクルで一定ではない可能性」の3つの成果を得た。このうち、(2)及び(3)については、当初想定していなかった結果であった。特に(2)は、従来の定説である「反復配列のAT含有量が高いほどスタター比率が高くなる」が4塩基の反復配列には当てはまらず、塩基の並び順に影響されることを強く示唆するものであり、非常にインパクトのある新たな知見が得られたといえる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、STR型検査におけるスタターの性質の詳細及び発生メカニズムについては、理論面において理解が進んでいないため、実務においては多数の試料の実測値からその性質を推定してスタターを扱っている。本研究の成果は、スタターの性質の詳細及び発生メカニズムに関する新しい知見であり、かつ従来の知見が当てはまらないことを示したものである。スタターの詳細について理解が進むことはSTR型検査、ひいてはDNA型鑑定の理論面のさらなる解明につながることから、本研究の成果は学術的意義・社会的意義の大きいものであると考えている。
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