研究課題/領域番号 |
19K19499
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
糸嶺 一郎 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (00338013)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 社会人基礎力 / 看護師 / 尺度 / 尺度開発 |
研究開始時の研究の概要 |
新卒看護師の社会人基礎力とバーンアウトに関する研究を実施したところ、社会人基礎力が新卒看護師のバーンアウトに大きく影響していることがわかった。その過程で、自ら新卒看護師への適用について確認したが、総合得点以外の3つの下位概念や12の能力要素の妥当性と信頼性までは確認できなかった。 社会人基礎力の育成の必要性や評価方法が注目されている近年、そのプログラムの検討を詳細にする上でも、また看護師の離職や看護の質に影響を与えるバーンアウトの予防のためにも、経済産業省の3つの下位概念および12の能力要素まで測定できる尺度が必要であると考える。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、看護師の社会人基礎力尺度を開発するにあたり、経済産業省の提唱するその概念を崩すことなく適用できる尺度とすることである。 これまでに発表された社会人基礎力に関わる論文を精査し、知見を積み重ねるとともに、質問文の検討に有用な結果を検索し、質問項目の文言について、研究チーム内で検討し、プレテストにて因子分析を繰り返しながら、社会人基礎力の3つの下位概念と12の能力要素に収束できる質問文を作成する予定であった。しかしながら、コロナ禍であることに関連し、調査協力が得られない状況であったため、質問項目の精査を中心に進めた。以前の研究の結果を精査したところ、社会人基礎力の下位概念である「アクション」「シンキング」「チームワーク」の質問項目のうち、「チームワーク」に属する「ストレスコントロール力(3項目)」が「アクション」に移行してしまう問題については、質問文から「行動」を想起させる表現を変更することで、対応できる可能性を導くことができた。また、同じく「チームワーク」から「発信力(2項目)」と「状況把握力(1項目)」が「シンキング」に移行してしまう問題については、検討を重ねているが解決に至ってはいない。これらの確認にはプレテストの実施が急務であるが、昨年度と同様に新型コロナ感染症の影響により、調査への協力施設が見つからず、また検討チームのメンバーも多忙となったため、それ以上の文言の検討に費やす時間が確保できず、先行研究においても収束しなかった3つの下位概念に収束させ得ると確信の持てる質問文を作成することができなかった。 このような状況であるため、今年度も検討チーム内で質問文の検討をするという方向に変えて、特に「チームワーク」からの3項目が「シンキング」に移行してしまう問題について検討を続けつつ、協力を得られる新たな施設を見つけるため、打診する範囲を広げているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
看護師の社会人基礎力尺度の開発を目指し、質問項目の文言の内容を確認し、その妥当性を検討するために、現職の看護師にプレテストを実施する予定であった。しかしながら、質問項目の内容を精査していたところ、社会人基礎力の下位概念である「アクション」「シンキング」「チームワーク」の質問項目のうち、「チームワーク」に属する「ストレスコントロール力(3項目)」が「アクション」に移行してしまう問題とは別に、「チームワーク」から「発信力(2項目)」と「状況把握力(1項目)」が「シンキング」に移行してしまう問題が発覚した。この項目が「チームワーク」に収束するような文言の修正について、看護専門職者、看護学に関わる研究者らで構成した検討チームのみによる質問文の検討を行ったが、コロナ禍による影響のため意見交換をする時間も限られ、検討を重ねていたが解決に至らなかった。また、プレテストを実施するために、病院等の施設に協力を打診していたが、コロナ感染症の影響により、協力を得られていない状況であり、研究プロセスが大幅に遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
前年度より、質問紙を検討していたチームのメンバーが減少し、検討する機会も少なくなったが、最低でも3ヶ月に1回のオンラインでの検討を実施し、新たに発見された課題の解決に取り組んで行きたい。また、プレテスト実施予定の医療施設の状況を確認しながら、引き続き実施できるように働きかけてゆく。以前の調査に協力していただいた施設であるため、データの信頼性という意味で、この施設をなるべく使用したいと考えるが、時間的な関係もあり、プレテストについては、他の同規模の医療機関など新たな協力機関への打診も行う。
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