研究課題/領域番号 |
19K19502
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
渡邊 里香 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (30822762)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | キャリア形成 / 雇用形態 / 管理者 / 非正規 / 看護師 / 育児期 / 非正規雇用 / 育児 |
研究開始時の研究の概要 |
育児を理由に非正規雇用の形態で働く看護師(以下、非正規看護師)は多く非正規雇用のキャリア形成支援は急務といえる。特に、中小規模病院は、地域に密着し、地域医療の中核を担う一方、既卒採用も多く、多様な生活背景の看護師を受け入れている。 中小規模病院の育児中の非正規看護師に注目し、育児をしながらキャリア形成していくための支援システムを構築する一助としたい。①育児期の看護師へのアンケートを実施し雇用形態による比較から、非正規看護師の職務、キャリアの特徴を明らかにする。②職務、キャリアの状況が良好であった施設の看護部に対しインタビューを実施し、キャリア形成を支援する組織の体制を明らかにする。
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研究実績の概要 |
育児期の非正規看護師の所属する部署の看護師長11名に対して、勤務実態とキャリアの課題についてインタビューしたデータを分析し、学会発表を行った。またその内容を精錬させた内容を投稿中である。11名の看護師長の部署にいる育児期の非正規看護師は29名であった。 ①勤務実態については、逐語録をもとに、29名の1ヶ月あたりの勤務日数、1日の勤務時間数、業務内容をデータベースにし、分析を行った。 平均の勤務時間は正規看護師の約6割であった。超過勤務と夜勤をする者はいなかった。業務内容は、フリー業務が中心であったが半数は受け持ちも行っていた。受け持ちをする者のほうがしない者より勤務時間が長い傾向であった。リーダーや委員会活動をする者も少数いたが、リーダーと委員会活動は正規と非正規の線引きにしているという部署が多かった。それらは超過勤務を生じさせる可能性があるためではないかと推察された。勤務時間の長さが業務の幅に影響している。 ②育児期の非正規看護師のキャリア形成を取り巻く状況について、逐語録よりキャリアに関する内容をコード化し、サブカテゴリー化・カテゴリー化を行った。6カテゴリ-、29サブカテゴリーが抽出された。非正規雇用形態を引き起こす社会構造があると考察され、看護専門職のキャリア形成を妨げる要因を、個人や家庭の考え方や各病院の問題、とするのではなく、俯瞰的視点で課題を捉えて対策を検討する必要性が示唆された。また、雇用形態により学習機会に差があること、現行制度の中で、管理者の裁量の範囲で非正規の強みを活用したり教育的関わりをしたりしていること、が明らかとなった。 今後、非正規看護師本人への量的調査を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
育児期の非正規看護師が部署にいる看護師長へのインタビューは終了したが、その質的データの分析や投稿準備に時間を要した。そのため、非正規看護師自身への量的研究の計画が、遅れたため、量的研究の時期を翌年とすることとして、期間を延長した。
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今後の研究の推進方策 |
管理者へのインタビューの分析結果を踏まえ、非正規看護師への量的調査を計画している。これまで、1人の研究課題として取り組んできているが、ここまでの考察により、長期的には、現在の正規・非正規の二元化されていることの是非について検討したいと考えている。2023年度は次の研究を共同して実施してもらえる研究者を確保したため、複数で会議をもちながら実施することで推進していきたい。
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