研究課題/領域番号 |
19K19525
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
漆坂 真弓 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (70326304)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 放射線災害 / シミュレーション教育 |
研究開始時の研究の概要 |
放射線災害では汚染や被ばくを伴わずとも、放射線災害の被災者らは常に放射線に対する脅威や不安を感じ、災害発生直後から長期間、あるいは生涯にわたり心身への放射線影響を懸念していることが指摘されている。放射線災害は稀有な事象で、on the job trainingを通して看護実践力の向上を図ることは極めて難しい。にもかかわらず、さまざまな医療・健康ニーズを抱える人々に質の高い看護ケアを提供することが、看護職者には期待され求められている。本研究では、放射線災害時における看護実践能力の向上および研鑽を積むことを目的に、放射線災害の多様で複雑な状況を想定したシミュレーション教育用シナリオを開発する。
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研究実績の概要 |
原子力災害の人材育成を担っている専門家の助言を受けて、時系列、対象別、状況別に課題を設定しシナリオを作成している。令和4年度は特にチームビルディングのシナリオを中心に作成した。COVID-19の影響を鑑み、シナリオはリモート参加で行えるように検討した。対象者は放射線災害について初めて学ぶ者と設定し、チームビルディングではCSCATTTに則り、特に、安全とコミュニケーションを中心に学べるようなシナリオとした。作成途中のシナリオについて、被ばく医療教育を担っている関係者から、画面上での情報共有の仕方に工夫が必要、リモートの研修では自発的な参加(発言、操作など)が困難などの助言を受けた。また、放射線災害の傷病者の事例について、事故が起きた場面を解釈し放射線影響を査定するには初学者には難しいという指摘を受けた。他に、傷病者の搬送ルートのシナリオも作成したが、実際の場の状況(動線の長さ、広さなど)が想像しにくく課題に取り組みにくいという指摘を受けた。リモートでは資料の他に、画面から得られる情報のみとなるため、その場の状況がリアルに把握できるような工夫が課題となった。今後は、放射線災害による傷病者の事例についても見直すとともに、対面およびリモートそれぞれのシナリオについて再検討となった。また、各シナリオについては検証テストを行っていないため、研究協力者を募りシナリオの検証を計画している。対象者は放射線看護について知識があり、放射線災害について熟知している対象者で検証予定である。なお、シミュレーション教育の専門家にも参加を求め、目標、内容、評価等について意見をもらう予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
学内での役割、大学院教育にエフォートを置いたこと、個人的な事情により研究に注力することが困難であった。令和5年度はシナリオの検証および到達目標の妥当性の検証を行い、日本語版及び英語版のシナリオ作成を目指す予定である。
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今後の研究の推進方策 |
作成したシナリオのαテストの実施、シミュレーションのアウトライン、ブリーフィングガイドについて検証する。検証後、βテストでは研究協力者による検証を行う。シミュレーション教育の専門家、被ばく医療の専門家による助言を受けより効果的な教育が実施できるようにシナリオの修正を行う。なお、作成したシナリオについては英語化し海外の研究者にも助言を求め、国内の制度や教育背景を勘案し修正をして行く予定である。
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