研究課題/領域番号 |
19K19534
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
粟村 健司 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (80822741)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 脳血管障害 / 摂食嚥下障害 / 移行 / Transition Theory / 状況特定理論 / 生きられた体験 / 脳卒中 / 嚥下障害 / リハビリテーション看護 / 摂食嚥下ケア / 摂食嚥下リハビリテーション / リハビリテーション |
研究開始時の研究の概要 |
看護学分野において,脳血管障害患者が摂食嚥下障害を抱え生活することの苦痛体験は数多く報告されており,身体機能の回復とともに心理社会的問題を充足させる看護支援の必要性が示唆されている。 本研究は,対象者が摂食嚥下リハビリテーションを継続しながら生活を再構築していく過程を「移行」という概念で捉え,当事者にインタビューおよび参加観察を行い,摂食嚥下リハビリの体験を説明できる状況特定理論を構築することを目的とする。このことは,患者の主観的体験をもとに,摂食嚥下障害分野の看護支援の在り方を体系化することに繋がるだけではなく,研究と実践がリンクすることを目的とした状況特定理論の発展に寄与するものと考える。
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研究実績の概要 |
本研究は,嚥下障害を抱える脳血管障害患者の摂食嚥下リハビリテーションに関する体験とその看護支援を説明するための状況特定理論(Situation Specific Theory:SST)を構築することを目的としている。 2022年度の主な取り組みとしては,2021年度までに取り組んできた,既存のTransition Theoryの理論枠組み,文献レビュー,これまでの研究知見を統合して作成した『嚥下障害を有する脳卒中患者の移行体験の概念モデル』を基盤とし,摂食嚥下ケアに関する看護方略の具体的内容について整理した。また,回復期病院の回復期病棟に従事し,脳卒中患者の摂食嚥下ケアを実践している看護職者にインタビュー調査を行い,具体的な看護方略やその課題について調査した。インタビュー調査の分析結果より,脳卒中患者の摂食嚥下ケアを実践している看護職者の看護方略の要素として,【脳卒中の再発と合併症予防】【嚥下障害に関連する症状コントロール】【食に対する価値】【嚥下障害に関する情報や知識の提供】【摂食嚥下リハビリの動機づけと継続性の支援】【生活の場での摂食嚥下リハビリの実施と定着】等といった主要テーマを抽出した。これらの研究知見は,2022年9月開催の第28回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術集会にてポスター発表を行った。また,嚥下障害を有する脳卒中患者の移行体験の概念モデルを構築に関する研究知見については,現在論文投稿を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は,ほぼ計画通りに,嚥下障害を有する脳卒中患者に対する看護ケアを実践している看護職者にインタビュー調査を進めることができた。しかしながら,脳卒中患者へのインタビュー調査も並行し進める予定にしていたが,年度前半はCOVID-19の影響も受けたことから,患者を対象としたインタビュー調査は進めることはできなかった。 以上のことより,当初計画していた調査は予定通りに進めることはできているため,2022年度の進捗状況としては【おおむね順調に進展している】と評価した。研究知見の論文投稿については,1年間延長申請として進める予定にしている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,これまでに作成した『嚥下障害を有する脳卒中患者の移行体験の概念モデル』で示した主要概念や構成要素,それらの関係性を精錬させる必要がある。本研究によって作成した概念モデルについては,引き続き,主要概念や構成要素に過不足が生じていないか,またその内容や表現が適切であるか等の検討を重ねるとともに,脳卒中や摂食嚥下ケアに精通する専門家(実践家・研究者)にヒヤリングを行うことでさらに精錬することを予定している。
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