研究課題/領域番号 |
19K19559
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
木下 愛未 信州大学, 学術研究院保健学系, 助教 (50783239)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 包括的暴力防止プログラム / 対人円環モデル / 振り返り / 精神科看護師 / 援助特性 |
研究開始時の研究の概要 |
精神科看護では当事者の暴力をケアすることが多いが、看護師は緊急的な場面で看護師自身の取った行動の背景にある援助特性には気づかずに行動していることも多い。本研究では、精神科看護師の対人援助特性を網羅的に明らかにし、「対人円環モデル」を応用して円環状にモデル図として可視化する。さらにこれを利用し、看護師が当事者の暴力に介入した際にどのような特性が働いていたかを振り返るツールとして活用するための具体的な利用方法を検討する。看護師自身がとった行動の特性を理解することで、より客観的に自身の行動を分析し、対応することが可能となり、咄嗟に不適切な対応をすることを防止することにつながることが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、精神科看護師の援助の要素について、Interpersonal Circumplex model (IPC)の概念を枠組みに量的・質的に明らかにした。新規性の高い結果として、当事者への治療を優先したかかわりであるPA(支配・管理)は、反発から後悔へと、当事者の認識が経時的変化を示す場合があり、当事者の劣位に立つHI(服従・従属)の行動背景には看護師の行動が支配的・管理的にとられないように意図した場合があった。 明らかにした精神科看護師の援助の要素を、包括的暴力防止プログラムの「振り返りと報告」に活用し、パイロットスタディではあるがその有用性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、CVPPPの介入要素の一つである、「振り返りと報告」で活用できるツールとその効果的な活用方法を開発した。従来、当事者-看護師間の対人相互作用は目に見えず、暴力が関連すると感情的になりやすいために、「振り返りと報告」は熟練した臨床経験がなせる業とされてきた。本研究で開発した「振り返りと報告」の手法は、簡便でわかりやすく、客観的に深く援助を振り返ることができた。これは看護師が当事者に対して無意識に持っていた感情や反応への気づきにつながり、当事者と相互理解を深め、協働する立場が形成されることが期待できる。それにより当事者と対立することのない安心な環境作りが促進されると考えられる。
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