研究課題/領域番号 |
19K19607
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 島根県立大学 |
研究代表者 |
日野 雅洋 島根県立大学, 看護栄養学部, 助教 (20760482)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 看護 / 安楽 / 精神科 / 隔離 / 他害行為 / 精神科病棟 |
研究開始時の研究の概要 |
精神科病棟での隔離処遇は倫理的にも退院後の患者の社会参加のためにも課題が多く、特に他害行為によって隔離となった場合は、長期の隔離処遇となる傾向がある。早期の隔離解除に向けた看護については活発に検討されているものの、隔離中の患者の安楽に向けた看護については、着目されておらず検討の余地がある。この研究は、隔離中の患者の安楽に向けた看護に価値を求め検討を深めていくために、精神科病棟において他害行為を理由として隔離となった患者の安楽に向けた看護を解明、定義し、実践事例集を作成することを目的とするものである。
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研究実績の概要 |
本研究は、精神科病棟において他害行為を理由として隔離となった患者への看護として、安楽に向けた看護ケアに着目している。他害行為によって隔離となった患者への安楽に向けた看護ケアを解明,定義すると共に、実践事例集を作成することを目的としている。 2022年度はインタビュー調査と共に分析を行っていった。 隔離に伴う患者の心理的体験を明らかにすることによって、患者への安楽に向けた看護ケアを示していくことを目的として、精神科病院で隔離となった経験を有する患者に対して、インタビュー調査を実施しているところである。インタビュー調査は、①初回入院の隔離体験を語ってもらうものと、②隔離経験のある精神疾患患者であり長い期間が経過した患者に、隔離の経験を経た後の生活を語ってもらうものである。今年度、①では5名の患者にインタビュー調査を行うと共に、②ではインタビュー調査を終了し分析を行っているところである。それぞれの調査について、引き続き、インタビュー調査を行うと共に、分析を行っているところである。 分析によって、隔離によって現実的な苦痛を感じていたり、妄想的体験に結び付けて隔離体験を理解するなど精神症状に影響を生じていることがあり、大きな心理的影響を受けていることが明らかになってきつつある。また、隔離後の長い期間が経過した後の生活においても影響を受け続けていることが示された。 引き続き、①のインタビュー調査と共に、分析を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
精神疾患患者へのインタビュー調査を行うと共に分析を行っているところである。COVID-19感染症への感染対策の必要性から、研究参加頂ける方を得ることが出来ていなかった。COVID-19感染症拡大に伴う感染対策の必要性から、研究参加者へのインタビューを進めることができていない。COVID-19感染症への対策が見直されていることに伴い、研究参加頂ける方を得ることができる見込みが立ったことから、インタビュー調査を進められるものと思われる。分析はインタビュー調査と共に進めているところである。
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今後の研究の推進方策 |
精神科病院で隔離となった経験を有する患者に対して、インタビュー調査、分析を継続していく。インタビュー調査は、初回入院の隔離体験を語ってもらうものと、隔離経験のある精神疾患患者が長い期間が経過した患者に、隔離の経験を経た後の生活を語ってもらうものである。語りから示される患者の体験に沿った看護ケアを検討していくことによって、患者の安楽に向けた看護ケアを示せると考えられたため、隔離経験を有する精神疾患患者への調査を行っていくと共に、分析を行う予定である。また学会発表を行っていく予定である。
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