研究課題/領域番号 |
19K19612
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
三邉 武彦 昭和大学, 医学部, 准教授 (00622135)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | pharmacokinetics / Verapamil / Simple suspension method / 簡易懸濁法 / 薬物動態 / 経管投与 / 血中濃度の条件検討 / 経管投与法 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢化社会において、病院・施設・在宅で看護師や介護者などが胃瘻チューブなど経管で薬剤を投与することが増加している。その投与方法として、錠剤を粉砕する方法や薬剤を湯に溶かす簡易懸濁法などがあげられる。2012年の日本病院薬剤師会学術委員会での調査では全国526病院で62%の病院で簡易懸濁法を導入していた。簡易懸濁法で薬剤を投与する場合でも、粉砕する場合でも適切な血中濃度を保つ必要があるのは当然のことである。カルシウム拮抗薬であるベラパミルを用いて、健康成人を対象として臨床試験を実施し薬物の剤型を錠剤、粉砕、簡易懸濁で、血中薬物濃度を測定し、経管投与法についての有効な投与法について比較・検討する。
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研究成果の概要 |
本研究ではCa拮抗薬のベラパミルを用い、粉砕法と簡易懸濁法で薬物動態を健康成人において評価した。簡易懸濁法群、粉砕法群では錠剤服用群と比較しAUC0-24、Cmaxが増大しており、特に粉砕法では有意に高くなった。投与前に医薬品を加工することによって、溶解速度と放出速度が変化したことに起因すると考えられる。粉砕法や簡易懸濁法は摂食嚥下困難を有する患者や経管栄養中の患者にとって、内服を容易かつ安全に行う方法であるが、製薬企業が提供する医薬品を加工することにより、意図しない副作用の発現やその増大が認められる可能性があり、投与前の医薬品の加工は避けるべきである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢者では摂食嚥下障害を合併する頻度が高く、薬剤投与に工夫が必要だ。特に経管栄養を行っている場合には、投与可能な剤形が限られる。簡易懸濁法は、錠剤を粉砕・脱カプセルしたりせず、そのまま温湯に崩壊懸濁させて、経管投与する方法である。簡易懸濁法は多くの医療機関で実施されているが、薬物動態の検討は十分ではない。本研究で、1つの薬剤に関する簡易懸濁法の薬物動態を示したことで今後の本研究分野や高齢者への薬物投与の一助となった。
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