研究課題/領域番号 |
19K19623
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 星城大学 |
研究代表者 |
林 浩之 星城大学, リハビリテーション学部, 准教授 (40440820)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 浮腫 / 静脈 / 運動 / 麻痺 / 静脈還流 / 上肢 / 脳卒中 / 対側 |
研究開始時の研究の概要 |
脳卒中後の麻痺側上肢の浮腫発生率は高く,拘縮,疼痛,静脈血栓等を惹起するため浮腫の管理は重要な課題である.研究代表者は,これまでの研究で麻痺側上肢の浮腫に関する研究に取り組み,非麻痺側ハンドグリップ運動が麻痺側上肢の静脈還流促進に作用することを発見した.次の過程として,非麻痺側ハンドグリップ運動による浮腫軽減への効果検証が期待される.さらに,浮腫と静脈還流の詳細な関係性解明には至っていないが,浮腫と静脈還流の定量評価によって解明は大きく進展する.本研究は①非麻痺側ハンドグリップ運動による麻痺側上肢の浮腫軽減効果,②定量評価に基づいた浮腫と静脈還流の関係性解明について臨床実践を通して検証する.
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研究実績の概要 |
脳卒中後の麻痺側上肢には静脈還流低下に起因する浮腫が生じる.麻痺側上肢浮腫の発生率は37~81%であり,浮腫は拘縮,疼痛,運動機能低下と関連し,長期の放置は上肢機能の廃絶を招く.浮腫を軽減するためには筋ポンプ作用によって静脈還流を促進させることが最も効果的であるが,麻痺側上肢に筋ポンプ作用は期待できない.さらに,麻痺側上肢に対する間歇的空気圧迫法,電気刺激などの外部刺激(理学的予防法)は静脈還流を促進する効果が限定的である.本研究の目的は,非麻痺側上肢運動および浮腫と静脈還流の定量評価に着目し,①非麻痺側ハンドグリップ運動による麻痺側上肢の浮腫軽減効果,②定量評価に基づいた浮腫と静脈還流の関係性解明について臨床実践を通して検証することである. これまでの期間においては,新型コロナウイルス感染症によって対象者のリクルートが困難であった.しかし本年度においては,対象者のリクルートが比較的順調に進み,データ取得が可能となった.研究①については介入研究であり,1人の対象者当たり約1か月の期間を要するが,研究実施施設との調整によって準備は整い,2023年度早々に開始できる見込みとなった.研究②については,エコー,体組成計,ドップラー血流計等によって客観的な対象者データを測定している.分析は実施できていないが,これまで測定したデータからは,脳卒中後の浮腫と静脈還流との関係性について新しい見解が示される可能性が高い.いまだ予定人数には到達していないが,2023年度中に完了する見込みである. 本研究によって,麻痺側上肢の浮腫軽減や浮腫と静脈還流の関係性が詳細に明らかになれば,臨床現場への応用へと発展し,患者へ多大な恩恵をもたらすと期待される.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は,脳卒中によって入院している患者を対象としている.遅れが生じている最大の理由は,新型コロナウイルス感染症対策として,院内での対象者のリクルートが困難であったためである.
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今後の研究の推進方策 |
本研究は,対象者のリクルートが困難であったが,対象施設と対象者の協力によって徐々にリクルートが可能となってきており,2023年度中に研究を完了できる見込みが立った.そのため本研究の2課題については特に変更することなく実施していく.
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