研究課題/領域番号 |
19K19628
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 聖泉大学 (2021-2022) 広島文化学園大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
池田 龍也 聖泉大学, 人間学部, 講師 (20784523)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 解離状態 / 解離性体験 / 日常場面 / 人間関係 / 経験サンプリング法 / 感情 / 感情制御 / 日常生活 / 解離 / 虐待的養育環境 / 縦断調査 |
研究開始時の研究の概要 |
解離は併存する精神疾患の増悪や自己破壊的行動のリスクを高めることが指摘されており,その生涯有病率は約10%である。このため解離が生じるメカニズムの解明は,学術的にも臨床的にも喫緊の課題である。ある者が解離しやすいことと,ある場面で実際に解離状態になるかどうかということは似て非なる問題である。ところが国内外の先行研究の多くが個人の解離のしやすさに集中し,解離状態のメカニズムに関する研究は少ない。申請者は最近の調査から,幼少期の虐待を統制しても感情制御が解離に影響する可能性を見出した。これを発展させ,本研究では,解離状態がどのような感情・感情制御によって生じるのか,日常生活を反映した解明を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は,解離状態がどのような感情および感情制御によって生じるのかを,より日常生活を反映させて実証的に解明することを目的としている。そのために,まずは解離と関連する感情および感情制御方略の候補を挙げ,オンライン調査によって候補を少数に絞り込む。次いで予備調査として解離状態と各感情および感情制御方略の関連度を経験サンプリング法によって調査し,本調査で採用すべきモデルを検討する。同時に,本調査に必要なサンプルサイズをシミュレーションによって明らかにし,本調査に移行する。最終的には上述のように,日常場面における解離状態がどのような感情および感情制御方略によって生じるのかを解明することとした。 令和4年度は事前調査(横断調査)・予備調査(経験サンプリング法による縦断調査)・本調査(経験サンプリング法による縦断調査)を実施した。事前調査の結果に基づき縦断調査で使用する調査項目を決定し,予備調査を参考に経験サンプリングに必要なサンプルサイズを決定した。現在は本調査の結果をとりまとめ,学術会議で公表する準備をしているところである。具体的には令和5年度の日本臨床心理学会,および日本トラウマティック・ストレス学会での発表を予定している。単年度の進捗としては順調であったものの,当初の計画に予定した水準には到達できなかった。とくに調査項目の決定に時間を要し,経験サンプリング法による予備調査および本調査に着手するのが遅れた。さらに一連の調査の実施を優先したため,論文投稿には至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画書の中で令和4年度には研究課題を終了している。しかし「研究実績の概要」でも述べたように令和4年度の進捗は比較的順調であったものの,引き続き所属機関における新型コロナウィルス感染症予防および教育機会の確保に時間を要し,より多くのエフォートを捻出することが難しく,昨年度以前の遅れを挽回するには至らなかった。さらに調査の実施を優先し,令和3年度の報告書で計画していた論文投稿は実施できなかった。そのため「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は研究成果を取りまとめ,学術会議で報告する。8月および9月の学術会議に向け,すでに発表の準備に取り掛かっているところである。ここで得られた意見をもとに,研究成果を論文としてとりまとめるつもりである。追加調査が必要となった場合,その調査を新たに実施する。
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