研究課題/領域番号 |
19K19652
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 城西国際大学 |
研究代表者 |
樺島 稔 城西国際大学, 看護学部, 助教 (10817662)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 夜泣き / 夫婦関係 / グラウンデッドセオリー / グランデッドセオリー |
研究開始時の研究の概要 |
夜泣きに直面した母親は不安や不眠に襲われ、一方で父親も母親をどうサポートして良いのか分からず夫婦関係が悪化したり、児の虐待に繋がる可能性がある。しかし夜泣きは母親のみが対処する問題として捉えられており、有効な対処法は明らかになっていない。 そこで本研究は、児の夜泣きに対して両親がどのように対処したのかを明らかにし、効果的な保健指導へ繋げるための手掛かりを得ることを目的とする。
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研究実績の概要 |
これまで夜泣きの原因は、児の情緒や睡眠サイクル確立の発達過程にあることが原因と報告されており、対処法は授乳や胸に密着して児を抱く等が報告されている。しかし、これまでの調査対象者は主に児の母親であること、報告されている対処法も主に母親が行う対処法であることから、夜泣きは「母親が取り組むべき問題」として捉えられてきた。また、報告されている対処法は必ずしも夜泣きを改善させる方法ではなく、母親は不眠や育児に対する自信の揺らぎを抱えることが多い。本研究では夜泣きを「父親を含む両親が取り組む問題」として捉えなおし、母親と父親がどのように夜泣きに対処したのか、役割や関係性がどのように変化したのか、グラウンデッドセオリーアプローチを用いて明らかにすることを目的とした。本結果より、効果的な保健指導へ繋げるための手がかりが得られることが期待できる。2023年度までに計15名のインタビューを終えた。 1. 夜泣きを経験した両親が捉える「夜泣き」とは 夜泣きとは「月齢2~7か月頃から始まり、10か月~1歳まで断続的に続く、泣いている理由が分からず対処できない入眠後の泣き」であることが分かった。 2. 夜泣きに対して両親が行う対処のプロセス 夜泣きに対して母親は、「授乳」や「密着して抱く」以外に、「抱きながら歩き回る」ことで対処していた。また日中は「環境を調整」し、「昼寝のリズム」を整えていた。父親は「母親に代わって抱く」「児の気が済むまで遊ぶ」「朝まで付き合う」ことで対処していた。 両親の関係は、当初父親は「我関せず」の態度だが、母親が「状況を伝える」、もしくは父親が「夜泣きの状況と母親の疲労に気付く」ことで、話し合いを設け、役割を調整していた。母親は「誰かの反応が欲しい」と感じていたが、父親との話し合いが子育てに対する姿勢や捉え方の相違に気づく機会となり、夜泣きを乗り切る支えになっていたことが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対象者へのインタビューおよび分析はほぼ終えている状況である。 今年度は論文として発表する予定であったが、論文作成に時間がかかってしまい、論文として発表するまでには至っておらず、進捗状況についてやや遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
学会発表および論文として成果を公表できるようにする。
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