研究課題/領域番号 |
19K19679
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
辻本 健 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (10825285)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 小児がん / 親 / レジリエンス / 前向き / 普通の生活 / 一緒に頑張る / 安心感 |
研究開始時の研究の概要 |
小児がん患児が健やかな社会復帰を果たすため、医療の場から離れてその子どもを支えていく両親に対するサポート体制を整えることは急務である。小児がん経験者の両親は、退院後に我が子の再発の可能性、将来の不安や学校に関する心理社会的問題を抱えていることが明らかになっている。一方、小児がん経験者の両親の全てが重度の不安・抑うつ状態に陥るわけではない。トラウマティックな体験がポジティブに変化する現象(Currier,2009)があり、それを促進するものとして「レジリエンス」が注目されている。本研究は、混合研究法によって退院後の小児がん患児をもつ両親のレジリエンスの概念構築を明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究では、退院後の小児がん患児をもつ両親のレジリエンスの現状・レジリエンスを高める要因を定量的に測定し、レジリエンスを高めることにつながった体験を質的に分析して、混合研究法によって退院後の小児がん患児をもつ両親のレジリエンスの概念構築を目的としている。2022年度は、下記の通り、研究を行った。
1.新たな研究対象施設の検討 新型コロナウイルスの影響もあり、思うような回収率が得られていない状況であったため、新たな研究対象施設を検討後、日本小児がん研究グループの治療を実施している3施設に協力依頼をし、質問紙調査の回収数の増加を見込んだ。しかし、新たな研究対象施設は増やすことができなかった。 2.質問紙調査の分析 質問紙の内容は、個人属性(10項目)、ソーシャルサポート(12項目)、SOC(13項目)、レジリエンス(25項目)、PTSD(22項目)、レジリエンスの体験(自由記述項目:3項目)、計85項目である。量的データと質的データを分析し、結果の統合をしている。統計分析は、記述統計量を算出後、t検定を行い有意水準はp<0.05と設定し,データ分析にはSPSS statistics Ver.23を用いた。結果、小児がん患児をもつ両親のIES-R得点25点以上のPTSDハイリスク群は9名(20%)、ローリスク群は28名(62.2%)であった。また、ローリスク群はハイリスク群に比べ、SOCの「把握可能感」、「有意味感」の関連が明らかになった(p=0.02、p=0.41)。さらに、ハイリスク群はローリスク群に比べ、レジリエンスの平均点が7.21点低かった。量的データの結果は、2023年9月の日本小児がん看護学会学術集会で発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は、論文投稿の計画であった。2022年度に行った新たな研究施設の検討と質問紙の分析を行ったためやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は質問紙の質的データと量的データを統合し、小児がん患児をもつ親のレジリエンスの概念構築を行っていく予定である。これらに加えて、学会発表、論文投稿を行っていく予定である。
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