研究課題/領域番号 |
19K19735
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
飯藤 大和 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (60723921)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | コミュニケーションロボット / 脳血流 / 視線 / 高齢者 / 看護 / 音声 / 非言語 / コミュニケーション / 視線解析 / 音声解析 / 対話ロボット / ロボット / 大学生 / プロトコール / 看護師 / 相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、視線解析と音声解析技術を用いた看護師(看護ロボット)、高齢者もしくは認知症患者との相互作用時の特徴分析を行うことである。 経験値でしか得られなかった①卓越した看護師の行うコミュニケーション技法、②高齢者が看護師(もしくは看護ロボット)とコミュニケーション時の視線と音声、③認知症患者が看護師(看護ロボット)とコミュニケーション時の視線と音声の相互作用の分析を行う。期待される成果として高齢者もしくは認知症患者に対する卓越したコミュニケ―ション能力を有する看護師の特徴を明確にすることにより、その特徴を看護学生や新人看護師に対する教育、看護ロボット開発に必要な要素として利用できる。
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研究実績の概要 |
昨年度からの継続した到達目標として「卓越した看護師のコミュニケーションの特徴と高齢者の反応を視線解析と音声解析により明らかにすること」、および「高齢者および認知症患者の人型対話ロボットとのコミュニケーションの特徴を分析すること」を設定していた。 しかし、対象者がコミュニケーションロボットと会話する際の反応は人によって違いがあると考え、質的な分析には限界があると仮定した。そのため2022年度は対象者の反応を質的な分析のみでなく脳血流量と脈拍数の変化を用いた評価を指標として取り入れて分析を進めた。 3例の対象者について15分間の安静後、ロボットと15分間の会話を行った。会話の内容は「現在の体調について」とした。会話中は視線解析装置(Tobii)による視線情報の収集,音声解析用の音声のボイスレコーダー録音、脳活動計による心拍数(HR)・脳血流量(HbT change(left・right) )変化の測定を行った。主観的な評価のためにビデオ録画を行った。視線情報は記述統計、音声は解析ソフト(WavePad)によるdB変化の分析、脳活動は会話前・会話中・特徴的な場面の一元配置分散分析を行った。 結果、対象者の視線は共通してロボットの頭部に集中していた。音声解析では感嘆する場面や繰り返し発話する場面や同調表現を示す場面においてdBの変化が大きく見られた。脳活動では1症例において安静時に比べ会話中の方が有意に脳血流量が増加した。会話刺激による脳のニューロン活動の変化によって脳血流が変化したものと考えられた。 今年度の成果は看護の国際学会(4TH INTERNATIONAL CONFERENCE ON TECHNOLOGICAL COMPETENCY AS CARING IN NURSING AND HEALTH SCIENCES 2022)で発表を行い公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
キーワードに含まれているように本研究では高齢者とのコミュニケーション時の視線や音声を分析することが重要な課題であると考えている。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により対象者の選定が難しく、健常な大学生での研究のみとなっている現状がある。 さらに本研究では視線解析装置、音声解析ソフト、脳活動計などの多くの機器が必要となっているため場所を変えながら効率的にデータ収集をすることが難しいことも症例数が増えない一因と考えている。結果として高齢者を対象とした実験ができておらず当初の計画からは遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は感染症対策も緩和される可能性があり、政府の指針に従った対策を講じながら高齢者など様々な年代の方からデータ収集をする予定である。研究期間の最終年度になるため積極的な研究活動をしたいと考えており、そのための現状でも最大限可能な方法での研究実施について倫理委員会の承認を取得したり必要な機器の購入などの準備は整っている状態である。
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