研究課題/領域番号 |
19K19773
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
丸谷 康平 埼玉医科大学, 保健医療学部, 講師 (00626369)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | フレイル / ロコモティブシンドローム / 脳活動 / fNIRS / 認知機能 / プレフレイル / 軽度認知障害 / 脳活動状態 |
研究開始時の研究の概要 |
ロコモティブシンドローム(ロコモ)やフレイルの該当者は、非該当者よりも軽度認知障害(MCI)や認知症に陥りやすいと報告されている。本研究は地域在住高齢者を対象として、近赤外光を用いて経皮的に脳血流を測定できる携帯型脳活動計測装置を使用し、認知課題遂行時ならびに運動実施時のロコモおよびフレイル該当者の脳活動の状態を測定する。健常者やMCI該当者とロコモやフレイルとの脳活動状態を横断的に比較することで、ロコモやフレイルの脳活動状態の特徴を把握でき、認知機能の低下に陥らないための予防介入に対する参考資料となり得る。本研究は今後の介入調査に向けた基礎的な臨床研究である。
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研究成果の概要 |
本研究は、認知機能低下の早期発見・予防を目的として、運動機能の低下を示すロコモティブシンドロームやフレイル高齢者の脳活動の調査を行った。地域在住高齢者60名(健常群27名、プレフレイル群33名)を対象に運動機能、認知機能、二重課題歩行の測定を行い、認知機能ならびに歩行時の前頭前野の脳活動を測定した。プレフレイル群では通常歩行時より右前頭前野の活性化がみられ、健常群ではみられなかった。認知機能測定時には、プレフレイル群にて安静時よりも有意な活性化がみられたが、健常群よりも低値であった。これらの脳活動の差異は、運動機能が低下した高齢者の認知機能低下の早期発見につながる可能性があると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢者において、筋力や歩行速度といった運動機能の低下と認知機能の低下は関連することが報告されている。また認知機能が低下している軽度認知障害や認知症者の脳活動の異常についても報告されている。しかし認知機能に著しい低下はないが、運動機能の低下を示す高齢者の脳活動については十分に解明されていなかった。今回の研究成果はプレフレイルという運動機能低下の入口にいる高齢者においても過剰な脳活動ならびに、必要となる際に反応性が低下するような脳活動を観察することができた。このプレフレイルにおける脳活動は、今後の認知機能低下につながる前ぶれである可能性があり、早期発見・予防の糸口となると考えられる。
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