研究課題/領域番号 |
19K19778
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 東京医療保健大学 |
研究代表者 |
山本 由子 東京医療保健大学, 看護学部, 准教授 (00550766)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 認知症 / 高齢者 / 多職種連携 / ライフレビュー / インフォームド・ケア / 認知症高齢者 / パーソンセンタードケア / 自伝的記憶 / 混合研究法 |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢社会では老年期が一層長期化し、中でも認知症高齢者へのケアを社会全体で支え合う仕組み作りが喫緊の課題となっている。 認知症高齢者の個別性に着目した実践と研究のシステマティックレビューから、インフォームド・ケアを定義する。次に高齢者から自伝的記憶を聴き取って、ケアに活かすためのアプリケーションソフトを開発する。これにより、その人の思いや生き方を理解することが出来、生活場所の変化や、認知症の進行など一層介護を要する状態となった場合でも、個別性を熟知した上でのケアに役立てられる。さらに、協働していくケア実施者と高齢者自身からの評価と効果を質と量の両データから混合研究法を用いて包括的に検討する。
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研究実績の概要 |
1.認知症高齢者を対象としたライフレビューの実施 1)都内にある訪問看護ステーションに協力を依頼し、管理者および看護師・機能訓練スタッフの理解を得た。要介護認定を受けて在宅療養を行う認知症高齢者宅に、まずスタッフに同行して紹介いただき、ご本人と家族の承諾を得て研究訪問を開始した。多職種間の情報共有には既存の医療機関とステーション専用の通信アプリを用いケアと報告を取り合った。 2)訪問時はバイタルサインと体調を確認した。必要な医療ケアと生活援助を行い、関係性を築いた上で、情報収集および人生史聴き取りを段階的に進めた。個別に必要となるインフォームド・ケアでは、食事を摂る・服薬管理・飲水・排便・衣類の洗濯といった生活習慣維持が挙げられた。ライフレビューに用いる画像資料はタブレットで示せるよう準備したが、電子画面よりも紙媒体の古地図や風景写真などが、高齢者自身が手に取って注視できていた。手に取れる形として、対象者のライフレビューをまとめた冊子を作成中である。 2.ライブレビュー実践とその効果について、認知症認定看護師教育:聖路加国際大学リカレント教育課程 認知症看護認定看護師コース:の講義に含めた。 3.国内学会:第28回日本在宅ケア学会学術集会:において口頭発表を行った。在宅療養を続ける認知症高齢者の服薬管理の事例における工夫と可能性についての内容で、繰り返し伝えて実施するインフォームド・ケアのひとつとして会場から同様な事例が挙がり共有した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
要介護認定の方を対象とし、本人と対面して繰り返し聞き取りを必要とする本研究では、新型コロナウイルス感染症の位置付けが第5類感染症となった後も、協力先の体制・事情により対面の中止が求められた期間が生じた。また、家族の事情により対象者が高齢者施設入居となるなど研究中断がやむを得ない状況が生じ、環境を変えて研究を再スタートしたため遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
1.対象者全員にライフレビュー冊子を作成し手渡す。在宅療養および高齢者施設療養を続けている認知症高齢者の個人史を踏まえたインフォームド・ケアに着目し、多職種で共有しながら取り組む事例データを論文化する。 2.多職種間の情報共有ツールは既存のアプリケーション活用含め、遠隔情報通信システムの在り方を含める。
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