研究課題/領域番号 |
19K19780
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
金原 京子 関西医科大学, 看護学部, 講師 (20454738)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 介護付き有料老人ホーム / アドバンスケアプランニング / 看取り / ACP / 事前意思確認 / 看護の役割 / 有料老人ホーム |
研究開始時の研究の概要 |
近年、介護付き有料老人ホーム(以下:有料)の入所者が急増し、施設内で最期を迎える人も半数を占め、有料にも高齢者の終の棲家としての機能が求められるようになった。しかし、特別養護老人ホーム(以下:特養)に比べると、有料では施設内での看取りが少なく病院搬送が多い。 本研究では、第一段階で有料での看取り状況と、看取りに向けての意思確認の関連についての実態調査、第二段階で看取りに取り組む施設の看護師へのインタビュー調査を行い、これらを通じ、有料の特性に応じた看取り支援のあり方(事前意思確認)や、そこでの看護の役割を明らかにすることで、高齢者の意思を尊重した看取りの実現をめざす。
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研究実績の概要 |
入居高齢者にとって、終の棲家となる介護付き有料ホーム(以下、ホーム)での高齢者の穏やかな最期のため、ホームの看護師によるエンドオブライフケアやアドバンスケアプランニングの実践内容や実践知を明らかにすることを目的に、施設内看取りに積極的な施設の職員を対象にインタビュー調査を行った。2023年度はCOVID-19も5類に移行し、ホームへの部外者の立ち入りも容易になったことから、5つの施設の熟練看護師5名、介護職4名、ケアマネージャー4名に半構造化面接を実施した。 介護付き有料老人ホームは比較的元気な段階からの入居者が多いが、死を忌避する日本の文化的背景もあり、入所時に高齢者本人がACPを行うことは少なく、高齢者の体調が悪化してからの家族による代理意思決定が多い実態があった。そのため、看護師は日々の関りを通して【高齢者や家族との信頼関係構築を基盤】とした上で、【エンドオブライフケアのアプローチの開始時期の見極め】を行い、高齢者や家族が現状を受け入れやすいように【医師や多職種へのはたらきかけを行っていた】。また、看護師はそれまで疎遠であった【高齢者と家族を結び付けたり】、【高齢者や家族が受け入れやすいような言葉や方法で高齢者の状況を伝え】ていた。また、【高齢者が日々の暮らしを継続できる】ように、【不安を募らせる家族や介護職を支援し】、【高齢者が最後に家族との時間をもち】、高齢者の死が残された家族にとって辛い記憶とならないよう、安らかで【美しい姿で旅立てるよう】支援しており、介護付き有料老人ホームの看護師は、高齢者本人と家族、多職種を互いに結び付ける中枢となっていた。左記の成果は、第5回国際ケアリング学会にてポスター発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響が薄れ、面接調査が可能となったが、2023年度は5施設しか面接調査が行えなかったため、2024年度はあと数件、面接対象施設を増やす予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はあと数件、面接対象施設を増やし、調査を完結させる予定である。 また、介護付き有料老人ホームでのACPに向けた看護師の役割について、介護職やケアマネージャーにも面接調査を行っていることから、多職種から求められている役割といった点からの分析を進めたい。
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