研究課題/領域番号 |
19K19824
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
早坂 太希 旭川医科大学, 医学部, 特任助教 (10838543)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | サルコペニア / マイクロRNA / 心疾患 / 心筋骨格筋連関 / 心筋梗塞 / 臓器間連関 / 虚血性心疾患 / 骨格筋萎縮 / 心骨格筋連関 / 重症心不全 |
研究開始時の研究の概要 |
骨格筋の萎縮を合併した心疾患は予後が悪く、骨格筋と心臓間には臓器連関があると考えられている。しかし、萎縮骨格筋と心疾患の詳細な機序については不明な点が多い。そこで、この実験動物モデルを確立した上で、循環エクソソーム中マイクロRNAから、萎縮骨格筋と虚血心に関連する候補を見出した。本研究では、この候補マイクロRNAに着目し、培養した骨格筋細胞、心筋細胞に対しての影響を解明するために、傷害を与えた細胞中の発現およびミミックやインヒビターによる細胞傷害の程度を解析する。さらに、間葉系幹細胞が与える影響に着目して、間葉系幹細胞による骨格筋萎縮と心疾患の両者をターゲットとした新規治療を検討する。
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研究成果の概要 |
マウスの心筋虚血後に尾懸垂でサルコペニアを誘導したマウスは心収縮能の回復が阻害された。血清中のエクソソーム中マイクロRNA解析で、 miR-16-5pが有意に上昇していた。ラット新生仔から単離した心筋細胞(NRVMs)に対して低酸素培養した上でmiR-16-5pを遺伝子導入したところ、直接的なターゲットであるSESN1の転写が阻害され、さらに下流のmTOR活性化を介してオートファジーが低下、アポトーシスを促進させた。miR-16-5pはサルコペニア誘導によって骨格筋および心筋から分泌され、SESN1-mTOR経路を介したアポトーシス促進が心機能回復不全を引き起こすことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨格筋萎縮を有する心疾患患者の予後は悪いことが知られており、虚血性心疾患後の不活動に伴う筋萎縮に対してはリハビリテーションの重要性が臨床的に明らかとなっていた。しかしながら、骨格筋萎縮が心疾患に与える悪影響についての詳細なメカニズムの詳細は不明だった。今回我々はmiR-16-5pの分泌を介したSESN1-mTOR経路がサルコペニアを合併した虚血性心疾患のアポトーシス亢進を起こすという、心臓微小環境の新たなメカニズムを明らかとした。miR-16-5pはサルコペニア合併心疾患の予後予測マーカーのみならず、これを介した虚血性心疾患の増悪経路に対する新たな治療ターゲットの可能性を有している。
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