研究課題/領域番号 |
19K19840
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
上野 明日香 (栗原明日香 / 栗原) 獨協医科大学, 医学部, 助教 (50725546)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 生活習慣 / 減塩 / 運動 / 座位時間 / レニン・アンギオテンシン系 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、「塩分摂取量と座位時間の見える化」を軸とした心血管疾患と糖尿病性腎症の重症化予防に資する新しい患者参加型指導方法の開発であり、そのために段階的に研究を進めていく。研究1で、塩分摂取量の「見える化」を導入して患者自身の積極的参加を誘導することが、減塩困難な循環器疾患患者において効果的かつ能率的な減塩教育になることを検証する。研究2では、糖尿病性腎症2期を対象に、患者参加型の新しい減塩指導と座位時間(sedentary time)減少指導ならびにレニン・アンギオテンシン系拮抗薬を中心とした厳格な降圧管理が腎保護効果を高め、心血管イベントを減少させるかを検討する。
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研究成果の概要 |
目的は糖尿病性腎症患者における座位時間の延長が全死亡と新規イベント発症リスクに及ぼす影響を明らかにすること。単施設前向きコホート研究を行い、国際標準化身体活動質問票に回答した173例の糖尿病性腎症患者(男性101人、平均年齢71±11歳)を39か月間追跡した。座位時間を含めた変数を用い多変量コックス比例ハザード回帰モデルを使用して分析。観察期間中に脳卒中4例、心大血管疾患 20例、血液透析導入4例、死亡6例を含めた34例の新規イベントが発生しており、座位時間が重要な独立変数であることを明らかにした(60分/日; ハザード比:1.23、95%信頼区間:1.05-1.45、P値 = 0.012)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病性腎症患者において、座位時間の延長は心血管イベントおよび全死亡リスクに関連し、予後悪化に関連する座位時間のカットオフ値を明らかにした。また、身体活動量や塩分摂取の見える化による具体的な指導を実践し、その有用性を明らかにした。以上より、予防医学的観点より座位時間減少に対する意義と解決のための指導方法について新たな知見が得られ、減塩や身体活動量の改善も加えた、包括的で有効な指導方法が明らかとなり、学術的意義は高く、糖尿病性腎症の進展予防を目指した本研究の社会的意義は高い。
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