研究課題
若手研究
反復性末梢磁気刺激(rPMS)治療は磁気を用いて選択的に筋肉を刺激する手法である。同様の治療である神経筋電気刺激(EMS)と比較し、より広く深く筋肉を刺激することが可能であるとともに、痛みが少なく安全な治療であることが知られている。このrPMS治療は脳卒中などによる麻痺の改善にたいし有効な治療法である可能性がある。本研究では脳卒中を契機として重度の上肢麻痺を有する患者に対するrPMS治療を確立することを目的とする。rPMS治療の最も効果的な刺激方法を確立した上で、その刺激方法を用いたrPMS治療とリハビリテーションの併用療法の有効性を明らかにすることを目的とする。
反復性末梢磁気刺激治療(repetitive Peripheral Magnetic Stimulation, rPMS治療)の脳卒中後上肢麻痺に対する有効な治療法として開発することが本研究の目的である。2019年度において、本研究プロトコールを「脳卒中後 上肢麻痺に対する集中的作業療法併用下における反復性末梢磁気刺激の上肢機能改善効果に関する用量反応性についての検討:多施設ランダム化比較試験」とし て認定臨床研究審査委員会の承認を受けjRCTに登録した。2019から2022年度においては同研究として9例に対し登録と治療実施を行った。新型コロナウイルス感染症に伴い症例集積が遅延に対し期間延長により対応したが、研究資金の都合もあり、目標症例数50例に対し9例の登録で試験を終了した。本試験では4800発群に3例、2400発群に3例、0発群に3例が登録され、治療が実施された。脱落症例は認めなかった。主要評価項目である治療開始前(0週、Day0)から治療2週後(Day14)の上肢機能(Fugl-Meyer Asessment)の変化量は4800発群で3.0±1.0(平均±標準偏差)、2400発群で2.7±1.2、0発群で0.7±2.5の結果となった。副次的評価項目としては、治療開始前(0週、Day0)から治療4週後(Day28)の上肢機能(Fugl-Meyer Asessment)の変化量は、4800発群で3.0±2.6(平均±標準偏差)、2400発群で4.0±1.7、0発群で2.0±4.4の結果となった。統計解析に足りる症例を集積できていないことから有効性については検証しなかった。いずれの群においても有害事象は発現していなかった。しかし、統計解析に足りる症例を集積できていないことから安全性については検証できていない。
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