研究課題/領域番号 |
19K19852
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
飯田 有輝 藤田医科大学, 医学部, 客員教授 (80808741)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | オートファジー / 末梢血単核細胞 / ICU-acquired weakness / 人工呼吸患者 / 神経筋電気刺激 / 神経筋電気刺激療法 |
研究開始時の研究の概要 |
ICUに入室した重症患者に高頻度に発生する特異的な筋力低下(ICU-acquired weakness:ICU-AW)がオートファジーの影響を受けているか末梢血単核細胞を用いて調査する。また神経筋電気刺激装置による筋収縮がオートファジー機能を是正し、ICU-AWの予防ならびに身体機能の改善を促すか検討する。
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研究実績の概要 |
【目的】集中治療室(ICU)の重症患者では骨格筋の機能障害であるICU-acquired weakness(ICU-AW)が発生するが、その病態は未だ明らかではない。また重症患者におけるオートファジー機能の異常について報告されているが、ICU-AWにおける検討はない。今回、ICU-AW患者の末梢血単核細胞におけるオートファジーの経過について検討した。 【方法】本研究は、2019年4月から2021年3月にかけて藤田医科大学病院集中治療室(18床)で実施された単一施設前向き観察研究である。ICUに入室し敗血症と診断され、人工呼吸器管理が48時間以上の連続した患者38例を対象とした。18歳未満の患者、神経筋または重度の運動器疾患の病歴のある患者、およびICU入院前に一般病棟で1週間以上過ごした患者は研究から除外した。対象をICU退室時のICU-AW合併例と被合併例に分けて検討した。人工呼吸開始48時間後(early phase)と1週間後(late phase)に動脈血を採取した。単核細胞を分離しDAPGreenを用いて染色後、フローサイトメトリーにてオートファジーの発現を検出した。またICU-AWの有無はMRCを用いて判断した。 【結果】ICU-AW合併例では非合併例と比較して単核細胞上のオートファジーの発現がearly phaseで低下していたが、反対にlate phaseでは増加していた。またICU-AW合併例ではIL-6産生量が高い傾向にあり、early phaseにおけるアミノ酸分画においてもBCAA/AAの比で異化亢進を認めた。 【結論】ICU-AWの有無によって末梢血単核細胞上のオートファゴソーム形成の程度に違いを認めたことから、ICU-AWの病態形成にはオートファジー誘導の低下が関与する可能性が示された。また、オートファジーの発現と異化亢進との間に関連は認めなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19感染拡大のため研究対象者の取り込みに制限が発生し、症例数が増えなかった。また施設環境にも制限がかかり実験自体も滞った。特に神経筋電気刺激療法の研究目的による実施ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究にエントリーした38例からオートファジーの変動について解析し、ICU-AWの病態にどのように関連するか記述的に検討を加える。
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