研究課題/領域番号 |
19K19861
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 独立行政法人労働者健康安全機構総合せき損センター(研究部) |
研究代表者 |
林 哲生 独立行政法人労働者健康安全機構総合せき損センター(研究部), 独立行政法人労働者健康安全機構総合せき損センター(研究部), 研究員(移行) (00769680)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 頚髄損傷 / 肺炎 / 嚥下障害 / 呼吸障害 / 麻痺 / 呼吸機能 / 誤嚥性肺炎 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは先行研究で、急性期頚髄損傷298例を調査し、高齢・重篤な麻痺・気管切開が誤嚥の危険因子であると報告した。しかし頚髄損傷において、嚥下障害の発生機序については未だ十分に分かっておらず、特に嚥下障害と呼吸障害の関連は分かっていない。 本研究の目的は、頚髄損傷による呼吸機能の低下が嚥下障害や誤嚥性肺炎にもたらす影響を前向きに調査することである。嚥下機能と呼吸機能を経時的に評価し相関関係を分析し、咽頭部の感覚・反射や神経学的所見など患者背景も検討し、誤嚥性肺炎発生の危険因子を解析する。誤嚥性肺炎の機序を解析することにより、発生率の低下に加えて、致死率低下や医療コストの削減に有効な可能性がある。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、頚髄損傷における呼吸機能低下が、嚥下障害や誤嚥性肺炎に及ぼす影響を明らかにすることである。我々は、急性期頚髄損傷で受傷後2週以内に入院した患者に対して、受傷後2週・1か月・2か月・3か月でCough Peek Flowを含んだ呼吸機能検査を前向きに行い、データを収集してきた。また嚥下障害も誤嚥と定義される嚥下障害臨床重症度分類で4以下と判定された症例に対して、嚥下造影もしくは嚥下内視鏡を行い、経時的に嚥下障害の評価を行ってきた。栄養評価のデータも併せて収集し、解析を行った。 論文としては、「Incidence and risk factors of pneumonia following acute traumatic cervical spinal cord injury」というタイトルで国際学会誌であるJournal of Spinal Cord Medicineにpublishした。急性期頚髄損傷後の肺炎の発生率とリスクファクターを調査し、リスクファクターは臨床重症度分類4以下の誤嚥を含む嚥下障害とASIA Impairment Scale AもしくはBの運動完全麻痺であった。すなわち誤嚥が肺炎の重要な因子であったことが証明された。 嚥下障害と呼吸機能の相関関係についても調査しており、一秒量と肺活量の低下は有意に嚥下障害に相関していた。これは、日本リハビリテーション医学会秋季学術集会2020と日本脊椎脊髄病学会2021に学会報告し、国際誌であるSpine Surgery and Related Research (SSRR)にacceptた。
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