研究課題/領域番号 |
19K19877
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 東北文化学園大学 |
研究代表者 |
沼田 純希 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 助手 (20780464)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | リズム運動制御 / 足関節運動 / タッピング課題 / 歩行リハビリテーション |
研究開始時の研究の概要 |
日常の歩行においては,混雑する歩道や点滅する信号など,状況に応じて歩行リズムを随意的に調整する能力が必要とされる.しかし,パーキンソン病といった中枢神経疾患では,タイミングなど時間情報の処理能力が低下していることが知られ,歩行時にも適切なリズム調節が困難となると考えられる. 現在の歩行リハビリを目的とした研究では,脳幹や脊髄の神経系による自動的なリズム調節機構が重視されており,随意的なリズム調節に関する研究は少ない.本研究は,両側下肢の随意的なリズム運動の特徴を,運動学的・神経生理学的手法により明らかにし,神経疾患患者の社会的自立を目指す歩行リハビリの発展に資することを目的とする.
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研究成果の概要 |
本研究は,歩行に関わる両側下肢のリズム運動制御の特徴を明らかにすることを目的とした.一定間隔の提示音に合わせ反応ボタンを押す同期タッピング課題を用い,両側肢の位相の異なるタップ課題における時間的な精度の特徴を検証した.その結果,下肢の逆位相性運動では,片側および同位相性の運動に比べ繰り返し運動の時間的な安定が保たれた.一方,手指では位相条件間の差が無く,この安定は下肢に特有の現象であった.さらに,音や触覚による感覚情報を除いても,下肢の逆位相性運動における安定が保たれた.歩行に類似した下肢の逆位相性運動は,リズムの安定を保つことに特化した機能を有し,上肢とは異なる神経制御の関与が推察された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,手指に比べて,歩行運動のような自動的な要素が強い下肢を対象として,足関節の随意的なリズム運動に着目し,両側足関節を用いたその運動制御について,運動学的・神経生理学的手法を用いて多角的に解明することを特徴とした.それにより,随意的なリズム制御機構に着目した新たな機能評価・リハビリ技術を提案することが出来ると考える.さらに本研究は,リハビリ領域のみならず,福祉やスポーツ領域での応用につながると考えられる.今後は,今回得られた知見を基に,小脳疾患やパーキンソン病患者の下肢リズム制御の特徴を明らかにし,時間処理機能に着目した新たな歩行リハビリの技術展開を目指す予定である.
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