研究課題/領域番号 |
19K19882
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 長野保健医療大学 (2021) 日本保健医療大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
荻原 啓文 長野保健医療大学, 保健科学部, 助教 (40821674)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 脳卒中 / 歩行 / 転倒 / 歩行非対称性 |
研究開始時の研究の概要 |
脳卒中片麻痺患者は,高齢者と比較して歩行中の転倒が多いことが報告されている.転倒予防に向けた歩行中の転倒予測は重要な課題である.従来,歩行中の転倒予測には,歩行速度や歩幅などの歩行指標が用いられてきたが,脳卒中片麻痺患者は歩行の非対称性や非定常性といった疾患特有な歩行障害を呈すため,従来の歩行指標からの転倒予測は不十分であり,「歩容(歩き方)」に着目する必要性が指摘されている.しかし,脳卒中片麻痺患者の歩容と転倒との関連は明らかにされていない.本研究の目的は脳卒中片麻痺患者の歩容と転倒の関連性を明らかにすることで,歩行評価に基づく転倒予測システムの構築へと発展させることである.
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研究成果の概要 |
脳卒中患者の転倒の多くは歩行中に発生し,歩行能力低下は転倒のリスク因子である.脳卒中患者の転倒を予防するためには歩行評価に基づく転倒予測は重要な課題である.そこで,歩行をより詳細かつ包括的に捉えることのできる歩行指標から転倒を予測するために,歩行中の関節角度を用いた「運動学的歩行非対称性」による転倒予測を考えた.本研究成果より①脳卒中患者は健常成人に比べ,股関節,膝関節,足関節に有意な運動学的歩行非対称性を示すこと,②股関節と膝関節の運動学的歩行非対称性は歩行速度,BBS,FIMと有意な相関関係を認めること,③股関節と膝関節の運動学的歩行非対称性が転倒恐怖感と関連することを明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果は,脳卒中患者のリハビリテーション場面で主観的に評価されていた歩容を定量化したことで今後のデータ蓄積に貢献できると考える.今回示した運動学的歩行非対称性が臨床指標と関連したことから,歩行能力や日常生活活動を改善するための歩行リハビリテーション戦略の一助になりえる.また,運動学的歩行非対称性が転倒との直接的な関連はないものの転倒恐怖感と関連したことは,歩行評価に基づく転倒予測システム構築に向けて貴重なデータとなったと考える.
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