研究課題/領域番号 |
19K19885
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
原田 祐輔 杏林大学, 保健学部, 講師 (60611001)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 心的回転 / 脳卒中 / 運動イメージ / メンタルローテーション / HMRT |
研究開始時の研究の概要 |
脳卒中患者の上肢機能障害に対する機能改善訓練として「手の心的回転課題」を用いた運動イメージ訓練がある.しかし,脳卒中患者へ臨床応用するにあたり,脳卒中後の機能障害や能力低下の程度と手の心的回転課題の関連は検討されておらず,適応基準も不明確である. 本研究は,脳卒中患者の手の心的回転課題(運動イメージ)と機能障害(運動麻痺・感覚障害・認知機能障害),能力低下(日常生活活動の制限)を,発症後1,3,6か月時点で計測する.手の心的回転課題と機能障害・能力低下の関係性を明らかにすることにより,脳卒中患者の手の心的回転課題における適応基準や効果判定基準の構築に向けた基礎的な知見を得ることができる.
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研究実績の概要 |
本研究は,脳卒中患者の手の心的回転課題(HMRT:運動イメージ)と機能障害(運動麻痺・感覚障害・認知機能障害),能力低下(日常生活活動の制限)の関係性を明らかにすることにより,脳卒中患者のHMRTにおける適応基準や効果判定基準の構築に向けた基礎的な知見を得ることを目的としている. HMRTは,画面上に呈示された手の写真が「ひだり手」か「みぎ手」かを判断する課題である.この課題では,指尖が身体の中心側を向く手写真(呈示された手に実際に手を合わせる場合,動かしやすい角度;Medial)への応答時間が,身体の外側を向く手写真(呈示された手に実際に手を合わせる場合,動かしにくい角度;Lateral)の応答時間よりも短くなるという特徴的なRTプロフィール(ML効果)がみられることから,課題遂行時に被検者の運動イメージが誘発されると考えられている.
2023年度の研究では,脳卒中患者に対して2回(発症後1か月,3か月)計測したデータを解析し,その経時的変化について確認した.解析結果は,HMRTの正答率と応答時間は1か月と3か月において有意な差は見られなかった.個々の応答状況を見てみると,1か月時点でのひだり手写真は全員がMedialの応答時間が短かったが,みぎ手写真は8割の者がMedialの応答時間が短かった。3か月時点では,ひだり手写真は6割の者がMedialの応答時間が短かく,みぎ手写真は8割の者がMedialの応答時間が短かった. 参加者の1か月時点と3か月時点の遂行能力にはばらつきがあり,人によってはML効果が見られずに,運動イメージを用いていない可能性が考えられた.この課題を脳卒中患者の運動イメージ訓練や評価として応用するためには,被検者の適応基準を明確にする必要がある.
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