研究課題/領域番号 |
19K19891
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 健康科学大学 |
研究代表者 |
駒形 純也 健康科学大学, 健康科学部, 助教 (20712798)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 脳卒中患者 / 姿勢 / 歩行 / 拡張現実刺激 / 筋活動 / 脳卒中片麻痺患者 / 拡張現実 |
研究開始時の研究の概要 |
脳卒中患者の約40%が退院後半年以内に転倒を経験することが報告されており、新たな治療プログラムが必要であると考えられる。本研究では光学透過型ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いた拡張現実(AR)システムによる新たな治療プログラムを開発することを目標とする。脳卒中患者にAR刺激を提示した状態での歩行試験を行い、立脚期下肢荷重量や下肢筋活動等を定量的に解析し、ARシステムが脳卒中患者の歩行に与える影響を明らかする。その後、回復期・慢性期脳卒中患者に対して6週間のAR刺激介入を行い、歩行改善に有効であるか検証する。そして、ARシステムを用いた治療プログラムを確立する。
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研究実績の概要 |
脳卒中患者の歩行能力低下には様々な要因があるが、その一つに左右非対称性がある。例えば、非麻痺側と比べて麻痺側の立脚時間が短いことや下肢荷重量が低いことが挙げられる。また、下肢筋力においても非対称であり、麻痺側下肢筋力低下が歩行能力の低下に影響を及ぼしている。そこで、本研究は脳卒中患者に対して光学透過型ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いた視覚刺激を行い、歩行に与える影響を定量的に解析し、歩行能力向上のための拡張現実(AR)を用いた新たな治療方法(ARシステム)を開発することを目的としている。 これまでの結果からHMDを用いた視覚刺激により静止立位時に刺激方向へ重心が移動すること、歩行時に刺激側の立脚時間、荷重量が増大することを確認した。令和4年度はHMDを用いた視覚刺激が重心移動および筋活動に及ぼす影響について研究を進めた。被験者は健常成人とした。被験者にHMDを装着し、視覚刺激を提示した状態で重心動揺計上に立位姿勢を取らせ、スクワット動作を行った。筋活動記録用電極は、刺激側の外側広筋、内側広筋、大腿二頭筋、半腱様筋に添付した。水平方向および回旋方向の視覚刺激により、動作時においても重心移動距離が有意に増大し、平均重心位置が刺激側に偏移することが確認された。視覚刺激時の筋活動においては、水平方向刺激時ではどの筋においても明らかな筋活動の変化は認められなかった。一方、回旋方向刺激では、外側広筋、大腿二頭筋、半腱様筋のスクワット動作時の最大筋活動および平均筋活動が、視覚刺激を提示していないコントロール群に比べ有意に増加した(p<0.05)。内側広筋においても増加傾向がみられた。これらの結果よりHMDを用いた視覚刺激が重心を移動させ、筋活動にも影響を及ぼす可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響により初年度より測定の実施が困難な状況が続き、進捗に遅れがでている。特に、脳卒中患者を対象とした実験が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
HMDを用いた視覚刺激が筋活動に及ぼす影響を明らかにするために、令和4年度の実験を継続し行い、被験者数を増やしていく。また、脳卒中患者を対象とした歩行を含む動作時の重心動揺や筋活動測定を実施し、HMDを用いたAR刺激の影響を検討していく。
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