研究課題/領域番号 |
19K19892
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
|
研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
野間 知一 日本福祉大学, 健康科学部, 教授 (10535793)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
|
キーワード | 振動刺激 / 筋緊張測定 / メカニズム |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは、振動刺激が脳卒中後の痙縮に対する新たな治療法になることを報告した。その後複数の報告が同様の効果を示し、国際的なガイドラインで推奨を受けるにいたった。ただしその効果発現メカニズムはこれまで報告されてきた振動刺激の作用では説明できず、振動刺激の方法も各報告で違いがありメカニズム解明を難解にしている。本研究では、様々な振動刺激条件で、中枢神経への影響を大脳皮質と脊髄の両面で健常者を対象に明らかにする。さらにその結果をもとに痙縮患者を対象に痙縮抑制に寄与する刺激条件による中枢神経の変化と痙縮抑制の関係性を検証する。痙縮抑制のメカニズムや適切な刺激条件の解明は治療法の発展に大きく寄与する。
|
研究成果の概要 |
本研究は、健常者を対象に振動刺激前後で運動機能の変化(筋力)と脊髄レベルの興奮水準、大脳皮質レベルの興奮水準を計測した。振動刺激は2種類の条件を設定し、条件1手関節屈伸の中間位(通常の筋長)と、条件2手関節伸展位(手関節屈筋を背屈40度に伸長)とした。結果では条件1、2ともに刺激筋である手関節屈筋筋力と拮抗筋となる手関節伸筋筋力をそれぞれ増加させ、脊髄の興奮性は概ね抑制し、大脳皮質の興奮性を増加させた。条件1の刺激は条件2と比較して軽度だが手関節屈伸筋力の変化量が大きく、大脳皮質の興奮性の増加量が大きい。条件2の刺激は条件1と比較して脊髄の興奮水準の抑制効果が高い傾向があった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発した振動刺激兼筋力測定装置は安全に再現性も高く刺激や筋力測定ができることがわかった。今回、予備的研究として人体に対する振動刺激の影響を脊髄の興奮性をF波で、大脳皮質の興奮性をfNIRSで測定したが、対象者に共通する傾向を見出すことは難しかった。今回の予備的研究の結果から振動刺激の効果発現メカニズムの仮説や筋を伸長することの優越性は確認できず、健常者や脳卒中片麻痺者を対象とした検証に進む根拠を得たとは言えない。今後は開発した実験装置を使用しながらメカニズム解明の可能性を高める努力を継続したい。
|