研究課題/領域番号 |
19K19894
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 姫路獨協大学 |
研究代表者 |
江村 健児 姫路獨協大学, 医療保健学部, 准教授 (10514060)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 胸鎖関節 / 内側鎖骨上神経 / 外側胸筋神経 / 支配神経 / 末梢神経 / 鎖骨下筋神経 / 肉眼解剖学 / 神経支配 / 肉眼解剖 |
研究開始時の研究の概要 |
胸鎖関節は体幹と上肢帯(鎖骨・肩甲骨)を連結する唯一の関節である。上肢挙上(腕を上げる運動)には上肢帯の運動を伴うため、胸鎖関節の固有感覚(関節の位置や運動に関する感覚)は上肢挙上の際の運動のコントロールに重要な役割を果たすと考えられる。そこで本研究では胸鎖関節に分布し、固有感覚を中枢神経に伝える末梢神経の走行経路、胸鎖関節への分布様式を解明することを目的とする。実物のヒト胸鎖関節を用い、どの神経が、どのような経路を通って、胸鎖関節のどの部分に分布するかという点についてデータ(所見)を収集する。
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研究成果の概要 |
胸鎖関節は上肢帯の運動の起点となる関節であり、その固有感覚は上肢帯、特に肩甲骨の運動制御に重要と考えられる。しかし、胸鎖関節の固有感覚を伝達すると想定される支配神経については従来より見解が統一されておらず、どのような外傷や手術で胸鎖関節の支配神経が障害されうるかも不明であった。我々の研究により、内側鎖骨上神経の枝が鎖骨内側部に沿って走行し、胸鎖関節の前面に至ることが明らかとなった。また、外側胸筋神経のうち大胸筋鎖骨部を支配する部分から分かれた神経枝が、鎖骨下を内側に走行し、胸鎖関節に至る場合があることを見出した。一部文献に記載の見られる鎖骨下筋神経の枝による支配は観察されなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで胸鎖関節の支配神経については、スタンダードな解剖学のテキストの間でも記載が異なり、統一した見解が得られていなかった。また、どのような経路を通って支配神経が胸鎖関節に達するかという知見もほとんどなかった。今回の研究で我々は、内側鎖骨上神経の枝が胸鎖関節に達すること、また外側胸筋神経の一部から分かれた神経枝も胸鎖関節に達する場合があることを明らかにし、それぞれの神経の具体的経路も明らかにした。これにより、どのような外傷や手術の際にこれらの胸鎖関節の支配神経を損傷するリスクがあるかを考察する基盤となる解剖学的知見を提供できたと考える。
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