研究課題/領域番号 |
19K19898
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
窪田 慎治 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 モデル動物開発研究部, 室長 (40835419)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 筋感覚 / 手指運動機能 / 一次体性感覚野 / リハビリテーション / 脳損傷 |
研究開始時の研究の概要 |
脳卒中後の運動機能障害の中でも、手指の巧緻運動機能の回復は最も難しい。この一因として、手指の巧緻運動の制御に深く関与している筋感覚情報の処理を担う神経機構に関しての理解が進んでいないことが挙げられる。本研究ではマカクサルを対象に、薬理的操作介入を用いて一次体性感覚野における筋感覚の受容野を可逆的または非可逆的に不活性化した際の運動機能の変化を検証することで、運動に伴う体性感覚入力が巧緻運動機能の回復に及ぼす影響を明らかにするとともに、その際の感覚関連領域の神経活動を記録することで、一次体性感覚野における筋感覚情報処理の流れを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、上肢の運動課題中のマカクサルの大脳皮質感覚野3a領域および延髄楔状束核から神経活動を記録し、筋感覚信号が運動の方向や筋活動に関係なく、随意運動中に抑制されることを明らかにした。さらに、3a領域を損傷させた個体では、握り動作など粗大な運動機能の障害が見られなかったが、つまみ動作など巧緻性が要求される課題では、運動遂行が困難となり、特に力の維持など出力調整が困難になった。本研究により筋感覚情報が手指の巧緻運動の遂行に重要であることが明らかになった。脳損傷者の巧緻運動機能障害は、運動出力の問題だけでなく、筋感覚情報処理の機能不全が関連していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、随意運動中の筋感覚情報処理の神経メカニズムの一端が明らかとなり、筋感覚が手指の巧緻運動の遂行に重要であることが示された。脳損傷後の巧緻運動機能障害は、運動出力の問題だけでなく、筋感覚情報処理の機能不全が関連していることが示唆された。脳卒中後のリハビリテーションにおいて運動機能の改善を図るためには、運動出力とともに感覚機能の改善に対するアプローチの重要性が示された。
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