研究課題/領域番号 |
19K19899
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
加藤 健治 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 健康長寿支援ロボットセンター, 室長 (30771216)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 生活支援ロボット / インタラクション / 乳幼児 / コミュニケーション支援ロボット / 心理反応 / マーカーレス表情分析 / 共感性 / 高齢者 / 機能的核磁気共鳴法 / 見守り / ライフログ / 音声 / 発話分析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、高齢者を対象にして、乳幼児の様々な声や表情によって惹起される心理反応および全脳血流応答を計測し、乳幼児の笑い・喜びの声や表情を受け取った時に惹起される快感情に関連する心理脳神経基盤を検証することを目的とする。次に、得られた心理反応および全脳血流応答に関する知見を基に、乳幼児が高齢者に与える効果的な刺激特徴を同定し、コミュニケーション支援を目的とする赤ちゃん型ロボット等に組み込んで生活支援テクノロジーの技術改良に繋げ、在宅・施設で暮らす高齢者に導入することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は,高齢者を対象として乳幼児の様々な声や表情によって惹起される心理脳神経基盤を検証し,得られた知見を基にコミュニケーションロボットの改良に繋げることを目的とする.これまで,200名以上の女性(若年層出産経験無し,若年層出産経験有り,高齢層出産経験無し,高齢女性層出産経験有り)を対象として,笑い声,クーイング,泣き声の乳幼児音を聴取した際の心理反応をウェブアンケートベースで調査してきた.その結果,高齢者が乳幼児の笑いとクーイング音を聴取した際に,感情の共感性が,若年女性群より増加することがわかった.この結果は,肯定的な乳児の声における感情共鳴が,年齢と出産経験によって高まることを示唆する.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国では,高齢者における独居者数や認知症患者数の急増が大きな社会的問題となっている.現在,高齢者の単独世帯数は500万世帯を超えており,高齢者の社会的孤立が,コミュニケーション量の低下だけでなく,心理的・社会的フレイルの要因に繋がることが示されている.本研究では,乳幼児の声の聴取による高齢者の心理反応基盤について調査してきた.具体的には,高齢女性群において,肯定的な乳幼児の声に対する感情の共感性が増加することを明らかにした.これらの知見は,赤ちゃん型のコミュニケーション支援ロボットによる高齢者との触れ合いが“可愛がりたい”“世話をしてあげたい”といった共感性を創出できる可能性を示唆している.
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