研究課題/領域番号 |
19K19916
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 北海道千歳リハビリテーション大学 |
研究代表者 |
小林 匠 北海道千歳リハビリテーション大学, 健康科学部, 教授 (90774711)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 理学療法 / 足関節捻挫 / 理学療法学 / リハビリテーション科学 / 慢性足関節不安定症 |
研究開始時の研究の概要 |
足関節捻挫を繰り返す慢性足関節不安定症の病態は未だ解明されていない。これまで申請者は,筋力・筋活動・筋弾性という側面から慢性足関節不安定症の筋機能を捉え,機能的な側面から病態解明に取り組んできた。一方,慢性足関節不安定症の包括的な病態解明と効率的な治療法の開発には,靭帯損傷による構造的な関節不安定性の解明が必須である。そこで,本研究は慢性足関節不安定症患者における構造的な関節不安定性の有無を明らかにした後,単一筋ごとの筋機能を筋力・筋活動・筋弾性の側面から包括的に捉えることで,足関節捻挫の再発予防を目的としたリハビリテーションプログラムの再構築に貢献することを目的とする。
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研究成果の概要 |
(1)ATFLの性状を超音波画像診断装置にて観察し,関節運動テスタを用いて足関節前方変位量を測定した。その結果,CAI群ではATFLの異常が多く,健常群と比較して足関節前方変位量が大きかった。一方,Coper群とCAI群で足関節前方変位量に有意差は認めず,疼痛や不安定感と足関節前方変位量に有意な相関は認めなかった。 (2)膝関節伸展位および屈曲位で,足関節を受動背屈した際の足関節底屈筋群の静的筋弾性を測定した。その結果,ATFL損傷群は非損傷群と比較して足関節背屈20度におけるヒラメ筋の弾性率が有意に低かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果は,現時点においても十分に解明されていない足関節捻挫を繰り返してしまう原因解明の一助となり得る。足関節捻挫は受傷時に損傷した組織が明らかとされないまま治療が進められてきたことが再発の要因と考えられるが,本研究によって足関節捻挫を繰り返している患者では,前距腓靱帯損傷を認める例が多く,前距腓靱帯損傷を認める患者では足関節前方不安定性やヒラメ筋の筋弾性に異常を認めることが明らかとなった。一方で前距腓靱帯損傷は患者の疼痛や不安定感に関連しないことも明らかとなった。これらの結果は,より効率的な足関節捻挫治療の考案の基礎的資料となる。
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