研究課題/領域番号 |
19K19922
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
濱嵜 伸明 北里大学, 大学病院, 係長 (40448973)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 心不全 / 左室補助人工心臓 / 身体活動量 / リハビリテーション / 患者管理 / 運動耐容能 / 運動機能 / 遠隔モニタリング / 運動療法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、植込型左室補助人工心臓(LVAD)を装着した重症心不全患者を対象に、遠隔モニタリングを用いた身体活動量管理の効果を検討するための介入試験である。LVADを装着し退院した患者の身体活動量を遠隔モニタリングによって管理し、身体活動量を増加する患者と通常の生活を過ごす患者との間で運動耐容能や身体機能、QOL、予後を比較する。
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研究実績の概要 |
本研究は、左室補助人工心臓(LVAD)を装着した重症心不全患者に対して、身体活動量の管理を用いた包括的心臓リハビリテーションが、運動耐容能を向上するか否かについて明らかにすることを目的としている。 2023年度までに登録した患者において、身体活動量の推移を調査したところ、1日当たりの歩数は手術後の入院中から経時的に有意に増加し(F=3.472, P=0.043)、退院後も増加傾向を示した。また、運動耐容能は退院時と比較し退院後5ヵ月時に有意に高値を示した。さらに、手術後の身体活動量と運動耐容能との間には高い正の相関関係を認めた(r=0.847, P=0.004)。すなわち、LVAD植込み術後において、高い身体活動量が運動耐容の向上に寄与することが示唆された。本研究から、運動耐容能向上を目的とした運動療法の一環として、非監視下における身体活動量を管理し指導することは重要と考えられた。これらの結果は、2024年4月に開催される国内学会にて発表した。 まだ、小サンプルのデータにとどまっているため、今後、さらに症例を集積していくことが課題である。 ほかにも心不全患者を対象とした研究を進めている。左室駆出率の保たれた心不全(HFpEF)において呼吸機能が低下しいやすいことが知られているが、外来運動療法を実施したHFpEF患者において呼吸機能は有意に向上し、呼吸機能が改善した患者では再入院率が低いことを明らかとなり、この結果を国際学会で報告した。 また、集中治療管理を要した患者において、急性期リハビリテーションが歩行自立および自宅退院と有意に関連することを明らかにした。特に、補助循環装置を使用した患者においても、これらの関連が一貫して認められたことから、LVAD植込み手術後においても急性期リハビリテーションが患者のアウトカムを改善する一助になると考えられた。これらの結果は英文誌に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究期間中の新型コロナウィルス流行により、左室補助人工の装着手術を受ける患者が予定よりも少なかったため、症例集積が遅延した。
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今後の研究の推進方策 |
現在までに取り込まれた患者のデータ解析を完了し、2024年4月に開催された学術集会で報告した。今後も症例集積を継続し、身体活動量管理を実施するとともに心臓リハビリテーションを継続して、運動耐容能をアウトカムとして得られたデータを解析する。 得られた結果は学術誌へ投稿する予定である。
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