研究課題/領域番号 |
19K19926
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
小島 翔 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (10780330)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 機械的触覚刺激 / 脳磁図 / 体性感覚誘発磁界 / 脳律動 / 機械的触圧覚刺激 / 脳活動 / MEG / 感覚機能 / 体性感覚刺激 / 知覚学習 / 皮質間ネットワーク / 経頭蓋磁気刺激 / 脳波 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,ヒトの身体機能の向上には皮質領域単独の活動だけではなく,複数の皮質領域間の相互的な活動(皮質間ネットワーク)が重要であることが示されている.そこで我々は触覚刺激によってこの‘皮質間ネットワーク’を変化させることで知覚学習を促通できるのではないかと考えた.よって,具体的には,1)感覚機能向上に特異的に関連する皮質間ネットワークを明らかにする,2)触覚刺激の刺激方法が皮質間ネットワークに及ぼす影響を明らかにする,3)触覚刺激によるプレコンディショニングが知覚学習に及ぼす影響を明らかにすることを目的とし,研究を実施する.
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研究成果の概要 |
本研究は,機械的触覚刺激介入の刺激パターンによって皮質活動が変化するか否か明らかにすることとした.その結果,20分間の機械的触覚刺激は体性感覚野の興奮性を変化させ,その変化は刺激パターンに依存することが示された.さらに,刺激面全体を同時に刺激するパターンでの介入は,介入前の体性感覚野の興奮性と介入前後の興奮性変化との間に有意な相関を認め,また,触覚刺激が刺激面内を移動するパターンでの介入は,脳律動の変化と興奮性変化との間に有意な相関関係が認められた.よって,介入効果には,異なる神経生理学的なメカニズムが関与している可能性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,一定時間の機械的触覚刺激によって体性感覚野の興奮性が変化することを示した.さらに,その変化は機械的触覚刺激の刺激パターンに依存することを明らかにし,その背景にある神経生理学的メカニズムは異なる可能性が示唆された.脳卒中患者の感覚障害は,原因となる要因が複数考えられるため,患者の状況に合わせて機械的触覚刺激のパターンを変えることで有効な介入手段となりうる可能性が示唆された.今回の結果は,実際の患者を対象とした臨床研究に発展させるなど,臨床応用に向けた実験につながるものであり,学術的および社会的意義が高い研究になったと考えられる.
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