研究課題/領域番号 |
19K19927
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 金城大学 |
研究代表者 |
佐々木 賢太郎 金城大学, 医療健康学部, 教授 (90512476)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 歩行 / つまずき / 地域在住高齢者 / 二重課題 / non-MTC gait cycle / 二重課題干渉 / nMTC / 転倒予測 / 遂行機能 / つまずき(転倒)予測 / NIRS / 3次元動作解析装置 |
研究開始時の研究の概要 |
歩行遊脚肢を能動的に挙上させることで「つまずき」による転倒を回避する‘non-MTC’ gait cycle(nMTC)の出現頻度の増加は,「無意識的に行われるautomaticなフィードバック制御」から「遂行機能に関連した意図的な歩行制御」へと移行している‘兆し’としてとらえることができる.遂行機能の中枢であるPFCの活動上昇は将来の転倒予測因子であることが明らかになっている.本研究では,nMTCの出現頻度とPFCの活動上昇の関連性を示すことで,「PFCの活動上昇によってnMTCの出現頻度が増加する」ことを証明し,最終的には「nMTCの出現頻度の増加は地域在住高齢者の転倒を予測するバイオマーカーである」ことを示す.
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研究成果の概要 |
地域在住高齢者を対象として,認知課題(引き算・想起)に回答しながら歩行したときの,つま先の軌跡と前頭葉の脳活動を反映する前頭部の血流変化を計測した.大学生と比較して高齢者では,①3分間歩行距離に差はなかった,②つま先を持ち上げて足を前に出す(nMTC)の頻度が高かった,③前頭部の血流変化が高かった.以上の結果から,地域で自立して生活している高齢者であっても,複数の課題を同時に処理するために,転倒しないように注意しながら歩いていることが推測された.nMTCの頻度が増えることは,複数の課題を同時に処理する能力が低下し,転倒の危険性が高まっていることを表すサインとなる可能性がある.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歩幅や歩行速度の低下は転倒のリスク指標であることはよく知られているが,これらは主に虚弱な高齢者に該当するパラメーターである.心身機能が維持された「元気」な高齢者では,歩幅や歩行速度といった数値(量)よりも,歩き方といった質的な変化から転倒を予測できるのではないかと考えている.元来,歩行は無意識的な動作であるが,認知課題を付加することによってつま先を高く挙げて歩くnMTCの頻度が増えるということは,つまずかないように足を持ち上げ,「気をつけて」歩いていることを表すサインであるととらえられる.このサインは現実の生活において,転倒リスクが高まっていることを示唆する所見かも知れない.
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