研究課題/領域番号 |
19K19940
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
大山 祐太 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (60711976)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | アダプテッド・スポーツ / 障害理解教育 / パラリンピック教育 / 障害理解 / 児童 / 生徒 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、学校段階や学年に応じた、児童生徒の障害理解・他者理解をすすめる「アダプテッド・スポーツ教育プログラム」の開発を行う。具体的には多数の多様な学齢の児童生徒に対して複数競技の体験を伴うアダプテッド・スポーツ授業をおこない、下記の3点の課題について検討し、得られた知見に基づいて実効性ある教育を開発する。 目的①:児童生徒の障害イメージに及ぼす影響 目的②:児童生徒のアダプテッド・スポーツ(学習した各競技)に対する印象 目的③アダプテッド・スポーツの授業に対する各教員の印象
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、児童生徒に対してアダプテッド・スポーツ(実践者にあわせて用具やルールを工夫したスポーツの総称)の授業を行い、「障害イメージに及ぼす影響」や「アダプテッド・スポーツ(学習した各競技)に対する印象」、「授業に対する各教員の印象」について把握することであった。 新型コロナウィルスの蔓延により、授業の中止、授業内容(特にスポーツ体験)の修正、インタビュー調査の中止など多くの計画変更が生じたものの、小学校7校、中学校3校、高校2校で実践を行うことができ、可能な範囲でアンケート調査を行うことができた。 実践・調査の結果、1)アダプテッド・スポーツ授業は多くの児童生徒にとって目新しさや取り組みやすさから「楽しめる」内容であったこと、2)特に普段体育を得意としない者にとって積極的に取り組みやすい内容であったこと、3)アダプテッド・スポーツの体験は、ハンディのある者が課題に取り組む場面を想定した際「~~だからできない」ではなく「~~すればできるようになる」という認識の転換を生じさせやすいことなどが明らかとなった。 また、より有意義な授業を展開するため生徒の障害に関する知識について把握を試みた結果「内部障害」についてはほとんど知られておらず、スポーツ大会に関しても「パラリンピック」以外の大会(デフリンピックや全国障がい者スポーツ大会、VIRTUSなど)についてはほとんど知られていないといった実態が確認された。我が国における報道や教育機関における障害者スポーツに関する教材はパラリンピックに偏重しており、そのことが生徒の障害に関する知識の偏りに影響していることが推察された。アダプテッド・スポーツ授業のような、人間の多様性、ハンディと社会環境の兼ね合いについて理解させる授業をより充実させてゆく必要があるだろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は児童生徒に対して体験をともなうアダプテッド・スポーツ授業をおこない、その学習成果を確認することを主な課題としていた。新型コロナウィルスの蔓延によって、主に下記の3点の問題が生じたため、進行に遅れが生じた。 ①授業実践の機会そのものがなくなったこと ②授業内容を変更せざるをえなくなったこと(例:体験も行うはずだったのが座学のみ、体験するはずの競技を用具紹介のみ など) ③調査を十分に行えなかったこと(特にインタビューはできなかった)
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、1)これまでの授業実践に対する児童生徒のアンケート結果をまとめ、2)結果を総合的に考察することから学習効果の高い授業内容について提案し、3)実践にあたっての留意点を具体化する。
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