研究課題/領域番号 |
19K19959
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 旭川工業高等専門学校 |
研究代表者 |
阿羅 功也 旭川工業高等専門学校, 人文理数総合科, 助教 (90781691)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 体育史 / スポーツ人類学 / 蹴鞠 / 体育科教育 / 再現研究 / ニュースポーツ / 蹴鞠技術 / SDGs / 技術復元 / 蹴鞠使用球の製作 / 蹴鞠使用球の作成 / 蹴鞠復元研究 / 地下鞠 / 公家鞠 / 再現 |
研究開始時の研究の概要 |
地下鞠に関する歴史的資料が、村戸弥生氏によって翻刻されつつある。『中撰実又記(1646)』である。この資料は『内下三時抄(1291)』等に値するものであり、下巻には地下鞠技術について記録されている。村戸氏の翻刻により、地下鞠研究が飛躍的に進んだといえる。下巻に記録されている地下鞠技術については、文字情報のみでは理解する事が困難であるといえよう。このままでは蹴鞠保存会が公家鞠技術を実際の動きとして取り扱っているような取り組みはできない。 そこで本研究では、まさに前述した現状を打破するべく、『中撰実又記』の下巻を現代語訳し、地下鞠技術の再現という手法を用いて視覚化することが目的となる。
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研究実績の概要 |
最終年度の蹴鞠研究は、蹴鞠技術の再現を実際の蹴鞠使用球を用いて実施した。これまでは研究者自身が蹴鞠使用球を用いて動作再現してきた。2023年は5月6,7日に北海道ボールパークFヴィレッジにて蹴鞠体験会を実施。7月30日には旭川工業高等専門学校のオープンキャンパス内にて蹴鞠体験会を実施。9月23日には札幌市滝野すずらん丘陵公園にて蹴鞠体験会を実施。約400名の参加者に蹴鞠を実際に手に取り、蹴りあげる一連の流れを体験していただいた。この体験会を通じて「現代版蹴鞠の教科書」を今後は作成していく。基礎となる蹴り方をどのように伝えるか。蹴鞠を「座」として成立させるための注意点も伝えていく。これに蹴鞠の技術書を合わせて教科書化に取り組んでいく計画である。蹴鞠の使用球製作と蹴鞠の教科書化をすることによって、体育科教育にも着手できる可能性を今回の研究で得た。新しい知見である。これまでの研究で蹴鞠の技術を再現し、これによって蹴鞠特有の動きを確認することができた。その再現ではこれまでレプリカ(大きさや重さが蹴鞠と同じゴムボールなど)を使用していたため再現度を上げることが課題であったが、この点は蹴鞠職人の蹴鞠製作技術を科学技術に変換することによって蹴鞠使用球を現代的に生み出すことで改善ができた。このようにこれまでは「観る文化」として日本に現存している蹴鞠が、少しづつではあるが「する文化」に今回の研究で近づいてきている。研究者が作る蹴鞠使用球の精度をあげ、具体的な動作の技術書化を今後の課題とする。
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